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1.老いは誰にとっても未知の世界

老年期の変化を「子供に還る」と表現されることがあります。しかし、実際に私たちは子供の時期に戻るというわけではありませんし、あるいは、それまでの人生で学習したことがすべて瓦解して子供に還るなどということもありえません。体の機能が衰えることは、決して人格が子供に還ることを意味しないのです。このことをわきまえず、お年寄りに赤ちゃん言葉で話しかける人がいますが、これは相手を馬鹿にしていることになります。

子供時代は皆が経験済みですが、老いは誰にとっても未知の世界です。老年期は歳をとってみなければわからない、すべての個人にとって新しい未知の世界なのです。老年期をすでに知っている子供時代のように考えるのは、世間にありがちな誤解というべきでしょう。

昔、「もうろく」という言葉がありました。これは現代語の「ぼけ」に相当しますが、どちらも正常な老化と認知症を混同した言い方です。このうち単なる老化で少しぼけた人(これは正常の範囲に入ります)は、決して子供類似の行動しないものです。しかし認知症のお年寄りの場合は、確かに乳幼児に似た行動をとることがあります。「子供に還る」といわれるのはこのようなお年寄りを指しているのでしょう。もちろん、この場合も厳密には子供に還るのではなく、「子
供に似る」と考えるべきなのです。

2.子供に学んで認知症を理解する

例えば、認知症の老人は鏡の裏側をのぞくことがあります。これは中に人がいると思ってテレビの中を見ようとする幼児の行動に似ています。また子供はよく迷子になりますが、痴呆の老人も買い物に出たきり家に帰れなくなる「迷老」になることがあります。赤ちゃんにはタバコの吸殻などの異物を食べる誤飲という行動が見られますが、認知症のお年寄りにも「異食」といって食べ物でないものを食べてしまうことがあります。これらはいずれも認知症の老人の行動が幼児の行動によく似ている例です。

また、子供は一般に抽象能力(ことばや数字を扱う能力)が低く、具象の世界(現物の世界)に生きています。抽象能力は年齢が進むにつれて発達していくのです。
退行現象(子供に似るということ)が進んでいる認知症のお年よりは、あたかもこの抽象能力がきわめて低い赤ちゃんの段階にいるようです。ところが現実の世界は、ことばで成り立つ非常に抽象度の高い世界です。しかもシンボの中でもいちばん抽象度の高い数字があふれています。従って、抽象能力の低下した認知症のお年寄りには、大変生きにくい世界でもあるのです。

そこで認知症のお年寄りには、お母さんが子供に話しかける時のように抽象的なものは具象的に翻訳する必要があります。例えば食事の用意ができたら「ご飯ですよ」と抽象度の高いことばだけで呼びかけるよりは、ご飯茶碗を見せながら呼びかけたほうがずっとわかりやすいのです。これも「子供に学ぶ」ことと言えます。

「子供に学ぶ」うえで、もう一つ重要なのは、子供は知覚的な世界に住んでいるということです。知覚的世界とは目で見て、耳で聞いて鼻でにおいをかぐ世界です。幼児にとってはこれが世界すべてです。母親が離れると、わずかな時間でも乳幼児は恐怖にかられて泣きだします。母親が見えなくなた今は、「無」になった時であり、その恐怖から泣き出すのです。

認知症の老人も同じです。「家に帰りたい」と帰宅願望から施設の中を徘徊しているお年寄りに「明日家族のかたが会いに来ますよ」といくら言っても、すぐまた同じことを繰り返します。乳幼児と同じ「今ここに」の世界に住んでいるのです。認知症のお年寄りにとって明日はありません。そんな場合は、電話して家族の声を聞かせたり、家族のビデオを見せてあげると、安心して落ち着きます。

3.認知症は何を訴えているのか

一般に多くの病気は症状を通して、私たちに何かを訴えています。例えば胃潰瘍の痛みは胃のただれを早く治してくれ、と訴えています。では認知症という病気は何を訴えているのでしょう。粗相をしたからといって、赤ちゃんを叱る母親はいません。認知症の老人も「子供に似る」という乳幼児のような状態になる認知症を発症することによって、こんな何もかも許してくれる母親のようになって欲しいと、周囲の人に訴えているのではないでしょうか。
    (参考:井上勝也著「老年心理学」朝倉書店

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