ストレスを回避する一つの方法は、ストレスという品物をどこかに「転送」する、つまり悩みの種類別に相談できる人を持つことです。他人に相談することによって心が解放され、ストレスを解決していくことができるのです。
さらに人間は「心が満たされる」ことによって、病気が驚くほど回復することがわかってきました。筑波大学教授の宗像恒次氏は次のように人間には4つのソウルがあるといっています。
1.自らを生きる価値がある存在と認めたい
自分の存在感を自分で認めたいという欲求です。
2.人に価値ある存在と認められたい
自分で自分の存在を認めるだけではなく、人からも認められたいという強い欲求です。
3.愛されたい、助けられたい
愛されたいという気持ちは人間に備わっているベーシックな欲求です。愛されなかった子供は心が傷ついていて、その後の人生に大きな悪影響を及ぼします。乳幼児期に抱きしめたり、「愛しているよ」と言ってあげることがとても大切ですが、それは大人になっても変わりません。例えば、脳軟化症の人も愛されていることを自覚すると脳が活性化して症状が改善するといわれています。
4.必要とされたい、役に立ちたい
どんな人でも人の役に立ち、「ありがとう」と言われることに喜びを感じますし、最後までその欲求は失いません。老人のうつ症状の多くは、自分はもう役に立たない、いなくてもいいんだと思い込むことが原因といわれています。人間には与える愛が必要です。愛を与えることによって自分自身の精神も回復していくのです。
4つのソウルが満たされると人は非常に落ちつきだします。ストレスにも強くなり、ストレスから生じる病気の回復にも大きな力を発揮します。
(参考:新薬と治療 Vol.52)
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