漢方の実証と虚症

漢方には、体質を虚証と実証という分け方があるのをご存じのかたも 多いと思います。ご自分がどちらに入るか、案外勘違いしておられる場合もあるようですので、わかりやすく書いてみましょう。
勘違いなさりやすいのは、太っているから実証、痩せているから虚証ということです。最近では太っているかたが虚証の場合も多いです。

特に最近の若いかたたちは、体格が良いように見えても、虚証に入るかたが多いようです。

また、高齢者のかたは、ほとんどが肉体的には虚証に入ります。

1.実証タイプ

体格、体型: 骨格ががっちりしている。筋肉質で堅太り。

顔色、皮膚: 顔色が良く、皮膚につやがある。

食欲、便通: 良好

適応力:   暑さ寒さに適応する能力が高い、疲労の回復が早い、
ストレスに強いなど環境の変化に適応する能力が高く
柔軟な対応ができる。

精神状態: 情緒安定、意欲的、楽観的

2.虚証タイプ

体格、体型: 骨格が華奢。やせ型か水太り。

顔色、皮膚: 顔色が悪く、皮膚につやがない。

食欲、便通: 不調

適応力:   暑さ寒さに敏感で適応力が弱い、疲労がなかなかとれ
ない、ストレスに弱いなど環境の変化に適応する能力が
低い。

精神状態: 神経過敏(不安感、焦燥感)、悲観的

以上のようなことが目安になりますが、痩せていても、骨格がしっかりしていて、適応力の強いかたは、実証タイプであり、体格は良くても、ひどく汗をかいたり、寒がりのかたは、虚証タイプとなります。

私の経験ですと、以前より虚証タイプが多くなり、若いかたで体格の良いかたでも実証タイプが少なくなって、肉体的にも精神的にも頼りなくなっているようで、さみしく感じます。

皆さんはいかがでしょうか?

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