若いかたは経験がないと思いますが、中年以上で尿失禁に悩む方が思いのほか多いようです。そのことについての記事がありましたので掲載いたします。
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尿失禁には次のようなタイプがある。
1.腹圧性:くしゃみや飛び跳ねたりすると漏れる
(骨盤底筋群などの緩みが原因)
2.切迫性:突然尿意に襲われ我慢が出来ずに漏れる
(排尿調節する脳からの信号が不調)
3.いつ流性:正常に排泄できずに少しずつ漏れる
(尿の通過障害、膀胱収縮不全が原因)
4.機能性:自力でトイレに行けずに漏れる
(認知症や歩行障害が原因)
上記のタイプのうち女性の6~7割を占めるのが腹圧性のタイプで腹に圧力が加わったと時に起こる。
膀胱にたまった尿は、尿道を通って排泄される。排尿時以外は漏れないよう筋肉によって尿道が締められている。この筋肉は自分の意思では動かせない平滑筋と、自分で締めることのできる括約筋からなる。
尿道がいわば尿の栓の役割をしているわけだが、女性の尿道の長さは約4?と、男性の25?に比べて極めて短い。さらに男性には膀胱が尿道と接する部分に前立腺があり、尿道の抵抗が大きい。このように男性は尿が漏れにくい構造であるのに対し、女性は尿失禁しやすいわけだ。
女性でも出産経験がある中年以降で、肥満の人ほど多発する。尿道や膣の周りの括約筋からなる「骨盤底筋群」が緩みやすくなるためだ。
東大病院泌尿器科講師の高橋悟さんは「女性の腹圧性尿失禁は身体の構造的な問題であって、決して恥ずかしがることではない」という。そして骨盤底筋群を鍛える運動を勧めている。この体操は寝たり、立ったりの姿勢で、尿道や膣の周りの筋肉を5~10秒締め、ゆっくり緩める体操を1日計100回繰り返す。骨盤底筋群を鍛えることで、尿道を締める力をとりもどすのが狙いで、何回かに分けるとより効果が高い。
失禁で下着交換が時々必要という腹圧性の中程度までの症状なら、体操で7割が改善し、うち2割はほぼ全快するということである。
体操では改善しない人には手術がある。尿道の周囲にコラーゲンを注入したり、糸で膀胱けい部をつりあげる方法。最近注目されているのが、緩んだ尿道を特殊テープで支えて漏れを抑える「尿道スリング法」である。保険も適用され、2,3日の入院でOKだ。
(参考:ヘルスケアニュース2000,VOL10)
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