男性でも更年期があるということをご存じでしょうか。そのことについて昭和大学医学部産科婦人科学教室の矢内原功教授が書いておられる記事がありましたので掲載します。
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性成熟期には。女性も男性も十分に性ホルモンが分泌されています。卵巣からは女性ホルモン、精巣(睾丸)からは男性ホルモンです。これら性ホルモンの分泌は、脳の一部である間脳、下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンで調節されています。
更年期では、性腺である卵巣と精巣の機能が衰えてきます。当然、性ホルモンの分泌は低下します。男性は女性ほど急激でないものの、30歳頃から減り始め、60歳では40歳と比べ25%も低下します。性ホルモンの分泌の低下をばん回しようと、間脳、下垂体は性腺刺激ホルモンを出します。それでも性ホルモンの分泌は増えず、間脳はさらに性腺刺激ホルモンを出そうと興奮し、ついには混乱してしまいます。
間脳は、感情や自律神経の中枢でもあるので、それが混乱するわけですから、自律神経も乱れてしまいます。これが更年期障害です。実際は、社会的環境、心理的な素因などの要因が複雑にからみあって症状が出てきます。
男性の更年期障害は自律神経症状よりも、精神神経症状として現れることが多いようです。男性の50代は、社会的に重要な責任を持つ年代であるのですが一方では、先も見えてきます。定年もすぐ、リストラだってあります。体力は衰え、病気も目立ってきます。「会社人間」だった場合は妻子との距離を感じます。この年代は限界を自覚するというか、精神的にもろいので自殺も多く、男性更年期を決して軽く見てはいけません。症状がでたら、疲れ気味とかでごまかさず、ためらわずに心療内科などを受診してほしいと思います。
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以上が記事の内容です。皆さんのご主人はまだ更年期には早いかたが多いでしょうが、夫婦間でお互いの心身の変化に気付くことで、病気だけでなく精神面での対策がたち、お互いの理解が深まるということを心にとめておいていただきたいと思います。
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