秋が旬の食べ物にリンゴがあります。
リンゴは果物としては珍しくビタミンCの含有量が少なく、他のビタミン類もあまり含まれていません。しかしミネラルのカリウムと食物繊維のペクチン、そしてリンゴ酸を多く含んでいます。
高血圧にリンゴが良いといわれるのは、リンゴに含まれるカリウムが体内にあるナトリウムと結合して、体外に排出する働きがあるためです。このことに関しては、高血圧症が多いと言われる東北地方でも、リンゴの産地に限っては高血圧症の人が少ないという報告があります。
ペクチンは水に溶ける食物繊維で、水分を含むとゼリーのようにかたまって、しかも繊維質なので消化吸収されずに、体外に排泄されます。下痢や便秘にリンゴが良いといわれるのは、このペクチンが腸内で働き、有害菌を減弱させて下痢を止めたり、便秘には腸の中で水を含んで柔らかくなって便を出しやすくし、乳酸菌などの善玉菌を増やして腸の働きをよくするためです。酸味のもとであるリンゴ酸は、代謝をよくし、疲労回復や食欲を増進する働きがあります。
また、1日1個のリンゴを食べていると、血中のコレステロール値が下がり、心臓を守ってくれるHDLコレステロールが増えるという報告が最近なされました。そしてこの効果は男性よりも女性に顕著で、しかもコレステロールの高い人ほど良く効くということです。
リンゴを多く食べている人は、風邪や上気道の病気にかかりにくいという発表もあります。さらに精神面では、不安や興奮などの感情の変動を鎮めてくれる働きも報告されています。
リンゴのペクチンは果肉よりも皮のほうに多いので、皮ごと食べほうが効果的ですが、ワックスなどの心配がありますので、よく洗ってから食べましょう。
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