再びアビガンのこと

新型コロナによる肺炎の報道に頻繁に登場するアビガンですが、次の記事を読み、先日の投稿にも記した「期待しすぎないほうが良い」という思いが更に大きくなりました。

アビガン 科学的根拠に基づいた議論を

 

記事には次が書かれていました。

アビガンは日本の製薬会社が開発した薬剤ですから、新興感染症である新型コロナに対して日本として有効性の検証に取り組む、という姿勢はもちろん理解できます。
しかし、もはや「新型コロナにアビガンを使って当たり前」くらいのコンセンサスが得られようとしていることに、医療者として危機感を覚えます。
なぜなら、実際にはアビガンが新型コロナウイルス感染症に有効であるという科学的根拠は現時点では十分ではないからです。

 

また、次がありました。

日本国内ではインフルエンザ薬として承認されていますが、催奇性があることから新型インフルエンザなどが発生した場合などに備えて備蓄されており、普通のインフルエンザの患者さんに使用されることはありません。

 

筆者は次の文面で記事を閉じていました。

「インフルエンザに対するタミフル」のように効果や安全性が十分に検討されているものとは異なり、新型コロナウイルス感染症に対するアビガンは現時点では適用外使用、または臨床研究として慎重に対象を判断し使用するものです。
もう少し科学的根拠が揃うまでは「新型コロナにアビガンが効いた」と思わせるような報道は控えていただきたいものです。

 

記事の筆者のプロフィールに次が記されていて、「アビガンを使ってほしい」と希望する新型コロナの患者さんが増えていることを踏まえての投稿かもしれないと推察しました。

感染症専門医。2004年に山口大学医学部を卒業し、2012年より国立国際医療研究センター 国際感染症センターに勤務。感染症全般を専門とするが、特に新興再興感染症、輸入感染症の診療に従事し、水際対策の最前線で診療にあたっている ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません

 

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