エキス製剤Q&A

なぜ、食間または食前の服用か?

現代薬から比べると自然界に共存する天然物医薬品は生体への胃腸障害が少ないと考えられるので、消化管に飲食物が無い食間または食前のほうが薬効成分が効率的に吸収されると考えられています。

漢方生薬の中には食品類似のものもあり、食事の影響を無視できない場合もありますが、大量摂取で問題となり、普通量ではほとんど影響はないと考えられます。

また、厳密に検討する、胃内pH の状況により吸収される成分に影響(胃酸濃度により漢方薬成分の吸収率に差)が出てくる可能性が出てくる可能性が指摘されています。

なぜ白湯での服用が勧められるか?

多くの古典医籍には、「温めて服す」「分かち温め三服す」というように、漢方薬は温めて服用するように指示されています。

薬効成分は温度が高い状態のほうがよく溶出し、体温に近いほうが抵抗なく吸収されると考えられるので、白湯(温かなお湯)での服用が原則となります。

また、多くの漢方方剤は刻み生薬より組成される煎剤として指示されているので、本来的な煎じ薬に近づけるため、漢方エキス製剤を白湯に溶かして飲むことが勧められます。

白湯以外での服用は?

お茶は茶葉・細茶として漢方生薬の一種ともなるので、厳密に言えばお茶で飲むことは好ましくないと考えられますが、白湯の準備がなければ、温かい薄めのお茶で服用しても差し支えないでしょう。

ジュースの化学的成分が漢方薬と反応する可能性が考えられることと、ジュースは冷えているので、ジュースでの服用は避けるべきです。

冷たい水で服用する場合があるか?

原則はコップ1杯程度の白湯で服用となりますが、例外的に、悪心、嘔吐などの症状があるときは、温めると反って吐き気を強めてしまうことがあり、五苓散などは冷たい水で服用します。

服用を忘れた場合は?

多くの場合は継続的服用が必要となるので、途切れることなく服用することを優先して対処します。

一般には、飲み忘れに気づいた時にすぐ服用します。

空腹時服薬が原則となりますが、食前の服用が忘れがちになるときには、食事時間にこだわらず、1日分はその日のうちに服用することが大切です。                      (参考:イチゲン漢報167)

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