タイツコウ軟膏

タイツコウ軟膏(第2類医薬品)

【組成・性状】103g中
当帰(トウキ)1g………トウキの根
桂皮(ケイヒ)1g………ニッケイの皮
大黄(ダイオウ)1g……ダイオウの根茎
芍薬(シャクヤク)1g……シャクヤクの根
地黄(ジオウ)1g…アカシヤジオウの根茎
玄参(ゲンジン)1g……ゴマノハグサの根
白シ(ビャクシ)1g……ヨロイグサの根、ゴマ油48g
蜜臘(ミツロウ)48g……ミツバチの分泌物

タイツコウ軟膏は7つの生薬をゴマ油で抽出し、ミツロウで固めたもので、淡褐色でゴマ油とカレー粉を混ぜたような独特のにおいがあります。タイツコウは、すりこまずにのばすようにしてぬっていただき、症状がひどい場合は馬油と混ぜて、リント布かガーゼなどに厚くのばして患部に貼っていただくと、より効果的です

実は私は、中国・宋の時代の「太平恵民和剤局方」という書籍に収録されていた神仙太乙膏をタイツコウ軟膏として現代に再現した長沢教授の門下生でしたので、学生時代にタイツコウ軟膏の話は聞かされていました。
でも、健康でしたし、 必要性もなかったので、気にもとめませんでした。

その後、闘病生活を体験し、奇跡的に店に出られるまで回復しましたが、免疫力が弱いためか、口中や手などの傷の治りの悪さに悩まされていました。
そして、ふと思い出してタイツコウをぬってみたのです。すると、痛みがすーっと楽になりました。
それからは、タイツコウが手放せないものとなりました。

店では、処方せんも扱っているので、薬のヒートシールで指に傷をつけてしまうことが多いのですが、タイツコウ軟膏をつけて絆創膏で止めておけば、一晩で傷の裂け目がくっついてしまいます。
傷、やけどはもちろん、とこずれの患者さんにもお使いいただき、喜んでいただいています。

口中にぬる場合は、その部分をガーゼで湿り気をとるように抑えてから塗り、ハーハーしながら口をすこし開けておくのです。
できなくなったら閉じて、また、ハーハーと繰り返すのです。
タイツコウ軟膏は天然成分ですので、飲んでしまっても無害ですが、なるべく患部に浸透させたほうが良いですから。

これはまだ試したことがないのですが、扁桃腺が腫れたらぬってみようかと思っています。
乾かせない場所なので、どのようにしたら塗れるか思案中です。
試す機会がこないほうが良いのですが、その機会がきましたら、結果をご報告します。

タイツコウ軟膏の使い方

タイツコウ軟膏は、「ぬる」というより「のせる」という感覚で使っていただきたいのです。

タイツコウ軟膏は、わりと硬い軟膏なので皮膚の上で直接のばすと、どうしても力が入ってしまい、患部を刺激することになりますから、リント布(またはガーゼや清潔な布)にタイツコウを厚めにぬり、それを患部に静かにのせる方法が良いでしょう。このときタイツコウ軟膏をのばすために馬油を使っていただきます。患部が広範囲の場合は、タイツコウ軟膏に馬油を2~3倍程度混ぜたものをリント布にのばし、狭い部位には直接タイツコウ軟膏だけをのせていただくと良いでしょう。

貼ったり、のせたりしたタイツコウ軟膏は1日に1~2回つけかえて下さい。その場合には、患部をぬるめのシャワーで洗い流し、それができないときには、オリブ油で拭くか、ガーゼにぬるま湯を浸してふき取ってください。決してこすらず、やさしく洗って下さい。少しくらいタイツコウ軟膏が残っていてもかまいません。

外出なさる場合、タイツコウ軟膏の臭いが気になるかたは(ごま油の臭い)そのときだけ、保湿剤か馬油を代用してください。

タイツコウ軟膏は当店でも取り扱いがございますので、ご興味がおありの場合はお問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。

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