二通りのタイプ

漢方薬を服用なさるかたには大きく分けて二通りのタイプがあるように私は考えます。

私の所に相談にこられるかたのほとんどは、種々の治療を試られあまり良い結果が出なかったかたが多いのですが、一つのタイプは半分あきらめで「ダメでもともとだが、もしかしたら」と思ってこられるかたです。

このタイプの方たちは、頑固なかたが多く、私の説明する「漢方薬を効かせる土台となる食事や生活環境の改善」に
ついて、なかなか実行してくださいません。

自分自身が変わろうとせず、「漢方薬になんとか治してもらいたい」というタイプです。

もう一つのタイプは「今までの治療は良い結果が得られなかったがそれは過去のこととして忘れ、今度は自分自身が変わるつもりでがんばってみよう」というかたたちです。

このかたたちに共通して言えることは、私が説明する「漢方薬を効かせる土台となる食事や生活環境の改善」を実行してくださることはもちろんですが、疾患の症状の善し悪しに固着せず、意識の対象を他の物に(趣味や好きなこ
となど)変えることに成功しています。

その段階で、病気、特に自律神経が影響する疾患であるうつ病、多汗症、アレルギー性皮膚炎、更年期障害などが改善されています。

これは漢方薬の働きとその人の努力によって、気のバランスが正常になり、自然治癒力が高まったっためであると考えられます。

これでおわかりになると思いますが、漢方薬を服用なさる場合、他力本願(漢方薬だけに頼る)のかたは、私がいくらピッタリの処方をお作りしても効き目が弱く(遅く)、漢方薬を助けとしてご自分自身をも変える努力をなさったかたは、自ずと良い結果が出ているのです。

ここで、「小さいことにくよくよするな」(リチャードカールソン著、小沢瑞穂訳)の中の二つの項から引用したいと思います。

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できないと思うとできなくなる

多くの人は自分の限界を主張することに多大なエネルギーを費やす。

試してみる前に恐怖の思い出で頭をいっぱいにして自らを制限してしまう。

とにかく最初のステップは、最大の批評家であるあなた自身を黙らせることだ。

自分のすべてをありのまま認める

自分のネガティブな感情を不安がったり否定したりするのをやめれば、そういった感情に振り回されなくなる。自分の存在すべてをありのまま認めれば、自分の人生は完璧だというふりをしたり、そうなってほしいと願う必要もなくなり、自分のすべてを受け入れることができる。

自分のありのままを認めるのは自分は完璧じゃないかもしれないが、このままでいいんだよ」と自分に言い聞かせるのと同じことだ。

ネガティブな感情にとりつかれたら、それも自分の一部として認めることができるようになる。

人間なんだから当然じゃないか、で片づけず、もっと自分を大きい目でやさしく見るようにしてみよう。

自分は本当に「破滅のかたまり」かもしれないが、それを認めてリラックスできるようになる。すると周りもみんなリラックスする。

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これは、私にとっても教訓となっていますが、漢方薬を服用されるかたはもちろん、病気や他のことで悩んでいるかたたちすべてに受け入れていただきたいことだと思っています。

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