オーバードーズとは薬物を過剰摂取することですが、覚醒剤や違法ドラッグではなく、普通に市販されている風邪薬や咳止め薬等の過剰摂取が止められない若者が増えているという記事を読みました。
記事の冒頭に次が書かれていました。
「薬物依存」といえば覚醒剤や違法ドラッグ、睡眠薬が思い浮かぶが、最近の若者にとってはそれだけではない。風邪薬やせき止め薬などの過剰摂取「オーバードーズ」は一時的に精神的苦痛を和らげるとの情報が広まり、服用をやめられない若者がいる。健康を害して死亡するケースも。ネット通販やドラッグストアで簡単に購入できる身近な医薬品が、使い方次第で危険な依存をもたらしている。
記事には22歳の女性の事例が載っていましたが、2年前にオーバードーズを止めた彼女は、今は摂食障害のため精神科に通っているそうです。
その女性に「オーバードーズに手を出したことを後悔しているか」と問うと、「駄目だと分かっていたけど、ほかにつらさから逃れる手段がなかった。薬を飲まなかったら死んでいたと思う」と話したことが記事に書かれていました。
そして、記事には次が書かれていました。
かつて若者の薬物依存はシンナーや危険ドラッグ、大麻などの違法薬物によるもので、学校に行かず、非行歴がある若者が少なくなかった。近年はこうした若者は減り、表面的には「良い子」として過ごしながらもメンタルヘルス上の問題を抱え、心理的苦痛を和らげるため市販薬を服用するケースが目立つという。
当店等では風邪薬や咳止め薬の販売時に注意を払うようにしていますが、何か所かの薬局で購入したりネット通販での購入等、簡単に入手できる市販薬ですから、購入を防ぐ対策も難しいと感じました。
長引くコロナ禍によって精神疾患が増えていることを思うと、オーバードーズを防ぐために薬局薬剤師としてできることを考えてみようと思います。