次の記事を読みました。
大腸がん検診の便潜血検査で潜血反応が出た際、記事に登場する男性は痔を患っていたために痔出血だと放置していたところ、下血がひどくなって大腸内視鏡検査を受けて6センチ大の直腸がんが見つかったそうです。
ある程度進行していたがんだったそうですが、不幸中の幸いで人工肛門にならずに済んだことが書かれていました。
ある程度進行したがんだったので、直腸を切除して人工肛門になる可能性もありましたが、近年はさまざまな工夫で、できる限り肛門の機能を残す方向で治療が行われています。Aさんの場合も、最初に放射線治療を行ってがんを小さくしてからがんを切除することで肛門の機能を残すことができました。
もう一つの事例も痔の診断を受けていた女性の場合で、痛みがないのに下血があり、大腸内視鏡検査を受けたところ4センチ大の直腸がんが見つかったことが書かれていました。
この女性の場合も、内視鏡手術で病変をそぎ取ることで人工肛門にならずに済んだそうです。
便潜血反応陽性であって痔の治療を受けている方では痔の出血だろうと思いがちですが、中には記事の事例のようにがんの場合もあり、潜血反応が出たら大腸内視鏡検査を受けることが勧められています。
ただし、痔を自覚している患者さんの便潜血反応陽性率は8.2%とする報告があるそうなので、がんが見つかるケースは多くはないようです。
実は私も最初に大腸内視鏡検査を受けたのは、がん検診の便潜血反応がきっかけでした。
検査の結果、がんではなく小さな潰瘍からの出血だったのですが、近年大腸がんが増加していることもあって、その時以降、定期的に大腸内視鏡検査を受けています。
大腸内視鏡検査は事前に大量の下剤を飲むなどでがん検診の中でも受けたくない検査ですが、皆様には便潜血反応陽性になった場合は躊躇なさらず検査を受けることを私もお勧めしたいと思います。
次の投稿等も参考になさっていただければと思います。