私は適切な検査は大切だと考えていますので、毎年1回は検診を受けています。
私は寒がりなので脱ぎ着が楽な7月に検診を受け、今年もその結果を受け取ったばかりでしたので、次の記事は関心を持って読みました。
医師である記事の筆者は病気の早期発見のために検診を勧めているのですが、タイトルにある無意味な検査の一つに腫瘍マーカー検査とPET検査を挙げています。
腫瘍マーカー検査は血液検査を行い、数値が高ければがんの可能性を考えるというものです。PET検査は「陽電子放射断層撮影装置(Positron Emission Tomography)」という機械を使い、全身にがんが存在しないか確認する、という検査です。
理由として、次が書かれていました。
ただ、腫瘍マーカー、PET検査はがんの早期発見に役立つというエビデンスはなく、現場ではがんがより疑わしい人に使われたり、治療の経過を確認するために使われる検査です。なので結局数値が少し高く出ても精密検査をするべきかは患者さんとの相談となってしまうことが多いですし、がん以外でも糖尿病や喫煙などの理由で数値が高く出てしまい、異常値として表記されていることもあります。
もう一つの無意味な検査として、頸動脈に超音波を当てる検査が挙げられていました。
脳ドックでは頸動脈(首)に超音波(エコー)を当てて、血管が狭くなっていないかどうかを調べます。この検査の有効性については証明されていません。大きな問題としては、「偽陽性=問題がないのに『陽性』、つまり異常な所見があると判断される」ケースが、アメリカでは36.5%もあったというデータがあることです。
また、筆者は次の見解を述べています。
家族に脳梗塞や脳卒中で倒れた人が多く遺伝的に心配だという人、動脈硬化が進んでいる人が脳ドックを受けることは否定しません。ただ、現時点で健康上の問題がない人が健康診断と同じ感覚で受けることは、少なくとも医師の立場からはすすめられない検査です。
検査を受けるかどうかは家族の病歴なども加味した上での判断が必要だと私も思いますが、なぜか記事の末尾に書かれた次の文面が一番記憶に残りました。
私自身は健康診断も受けますし、ワクチンも打ちます。私生活ではできるだけ7時間の睡眠をとり、野菜や果物もきちんと食べています。職業柄、人に会って話すことも多いです。要は、特別なことはせず、普通の生活で、それなりに楽しく、健康に過ごしています。