自立支援業者にすがった母

次の記事を読みました。

ひきこもりの息子、すがった先は悪徳業者だった 母の後悔届かぬ返事:朝日新聞デジタル
「息子が泣きながら家を出たときの光景を忘れることはありません」 白い便箋(びんせん)に、強い筆跡で書かれた文字。関東近郊で暮らす80代の女性が昨夏、厚生労働省地域福祉課の担当者らにあてて書いたものだ…

私自身、小学校4年の時に短期間でしたが登校拒否の時期があります。

私の場合は父がきっかけを作ってくれたことで運よく登校し始めることができたのですが、こじれていたら長い登校拒否から引きこもりになった可能性もあると思います。

そのような思いがあるため、引きこもりが他人事とは思えないのです。

上記事では80代の母親と、26歳から20年間引きこもっていた息子のことが書かれていました。

記事には、次のように書かれていました。

6年前に夫が他界して、長男と2人暮らしになった女性は、インターネットで見つけた民間の自立支援業者に相談。担当者に「ひきこもりが長期化、高齢化するほど解決が難しくなる」と迫られ、契約を結んだという。

その契約のために、母親は自宅を売って最終的には1300万円を業者に支払ったそうです。

そして、記事には次が書かれていました。

業者の「自立支援施設」に入所してから約2年後、長男は研修先として赴いていた熊本県内のアパートで、ひとり亡くなっているのが見つかった。

冷蔵庫は空で餓死も疑われたが、業者に事情を尋ねても要領を得ず、お金はおろか、衣服などの遺品も戻らなかったという。

記事には母親が厚生労働省地域福祉課の担当者に出した手紙のことが書かれ、手紙の画像がありましたが、丁寧に書かれた文字に母親の思いが感じられ、胸が痛くなる思いがしました。

手紙への直接の返答は、まだないそうです。

記事には、ひきこもりや自立支援業者の事情に詳しい精神科医の斎藤環・筑波大教授の言葉として次がありました。

ひきこもりの支援は一義的には行政としてやるべきこと。当事者の居場所などを提供するグループホーム型の支援も公的にやるべきで、それが無理ならせめて助成金を出すべきだ

以前の投稿にも書きましたが、コロナ禍でひきこもり問題が政府から置き去りにされているようにも思えるため、早急な対応を願うばかりです。

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