秋のくだものを代表する柿には、さまざまな優れた効能が知られています。
タンニン
柿の渋み成分はシブオールというタンニンで、甘柿・渋柿を問わすべての柿に含まれます。
タンニンは植物界に広く分布していますが、特に柿のタンニンは、優れた解毒作用を持つことが明らかになっています。「酒を飲む前に柿を食べると悪酔いしない」と言われますが、これは柿に含まれるタンニンの働きが大きく関係しています。悪酔いの原因は、アルコールが肝臓で分解された際に生じる中間生成物のアセトアルデヒドです。このアセトアルデヒドと反応しやすい性質を持つタンニンが、アセトアルデヒドと結合して、これを体外に排出すると推測されています。
また、柿のタンニンには、毛細血管の透過性を高める働きがあり、カリウムが持つ利尿作用との相乗効果によって血圧を低下させます。また、食物繊維のペクチンがコレステロールを減少させるため、動脈硬化の予防に有効なこともわかっています。
ビタミンC
柿を食べると風邪をひきにくくなるとも言いますが、これは柿に豊富に含まれるビタミンCとビタミンAが、身体の抵抗力や免疫機能を高めるからといわれています。
柿胃石
上記のように体に良いものを含む柿ですが、食べすぎには注意が必要です。
上記事に登場するあい太田クリニックの芳賀院長が次のように述べています。
柿の渋みの成分であるタンニンの主成分『シブオール』によって、石が形成されていくと考えられている
優れた作用を持つジブオールであっても摂りすぎると石ができる可能性もあり、芳賀院長は次のように述べています。
これで柿を食べなくなってしまうのは良くないと思う。柿はミネラルを含んでいて、ビタミンAも豊富。体にいいものなので、1日1個(200g)くらいが適当だと考えている
今は柿のおいしい時期ですから、皆様にも適切な量で秋の味覚をお楽しみいただければと思います。