漫画家の鳥山明さんが今年3月に亡くなった時、多くのメディアは鳥山さんの死因が急性硬膜下血腫であったことを報じましたので、硬膜下血腫は致死率が高いことをご存じの方もいらっしゃるかと思います。
硬膜下血腫には急性と慢性があるのですが、今朝、その違いをわかりやすく書いた記事が目に留まりました。
記事の冒頭に次が書かれていました。
転倒や交通事故などで頭を打って脳を包む膜と脳の間で出血が起き、血の塊が脳を圧迫して頭痛や吐き気、認知症に似た症状などが出る「硬膜下血腫」という病気があります。急性と慢性の2種類に分けられます。命を救い、後遺症を防ぐためには早期受診が大切です。
発症については次が書かれていました。
脳は頭蓋骨と「硬膜」「くも膜」「軟膜」という3層の膜に包まれています。硬膜下血腫は硬膜とくも膜の間にある架橋静脈という血管が、頭部への衝撃がきっかけで切れて発症することが大半です。
転倒のほか、ラグビーや柔道などのスポーツで頭部に衝撃を受けることなどが出血の原因となります。血の塊(血腫)が脳を圧迫し、様々な症状が出ます。
急性と慢性では、発症までの期間が異なることが書かれています。
症状が出血から数時間程度で出るのが急性、数週間から約1か月かけて出るのが慢性です。漫画家の鳥山明さんは急性硬膜下血腫で3月に亡くなりました。
症状については次の説明がありました。
急性では意識障害、頭痛、吐き気、 嘔吐 などが起きます。症状の出方は、元々の健康状態、血腫の位置や大きさに左右されます。
高齢者では発症まで時間がかかることがあります。脳が萎縮していると、血腫が大きくならないと圧迫されないからです。乳幼児では頭が激しく揺さぶられて発症することもあります。
慢性でも頭痛や吐き気などの症状が表れます。加えて、血腫が脳を徐々に圧迫することで認知症のような症状が出ることがあります。会話の受け答えがうまくできなくなる、物忘れが多くなる――などです。
致死率の高い病気であり、早期診断と治療が重要ですので、急性と慢性があること、発症までの期間に違いがあることなどをご記憶いただければと思います。