不眠に悩む方は多いのではないでしょうか。
医療機関で処方された睡眠薬の服用を続けている高齢者も多いのが気になっていたので、次の記事は関心を持って読みました。
記事の筆者は精神科医で睡眠専門医だそうで、次のように述べています。
不眠があっても日中に眠気や 倦怠 感、集中力の低下、うつ、イライラなどの不調がなければ、あわてずに様子を見ていても大丈夫です。例えば、リタイア世代になって夜中に一、二度目が覚めてトイレに行っても、日中に元気に過ごすことができているケースなどです。
記事では、不眠が表れやすい疾患について書かれていました。
例えば睡眠中に呼吸停止を繰り返す睡眠時無呼吸症候群では、酸欠に耐えられずに覚醒反応が起こり何度も中途覚醒が生じます。高齢者を対象にした調査では、不眠がある高齢者のうち約4割で睡眠時無呼吸症候群が見つかっています。
また、夕方から就寝時刻にかけて下肢にむずむず、ほてり、炭酸が泡立つような不快感が生じて寝つけなくなるレストレッグス症候群(むずむず脚症候群)なども慢性不眠の大きな原因になります。
睡眠中に下肢の筋肉のピクツキ(ミオクローヌス)が生じて中途覚醒が生じる周期性四肢運動障害と呼ばれる睡眠障害も少なくありません。
上記のような疾患の場合の不眠には睡眠薬は効果がなく、むしろ症状が悪化するケースもあるそうです。
心身の病気についても書かれていました。
病院を受診したうつ病患者さんは主に不眠や食欲低下、倦怠感などを訴える傾向があり、抑うつ気分や興味や関心の減退などのうつ病の中核症状を自覚できていないことが多いため、不眠症と誤診されることがしばしばあります。
筆者は次のアドバイスをしていますが、記事に書かれているように受診の際には心身の状態を正しく伝えることが重要だと改めて思いました。
ほかにも痛みやかゆみによる不眠、心不全や呼吸器疾患による夜間の息苦しさによる不眠、持病のために服用中の治療薬の副作用による不眠など、その原因は多種多様です。不眠があれば不眠症と決めつけず、かかりつけの先生に心身の状態を正しく伝えましょう。