意味のない健康法

次の記事を読み、少なからずショックを受けました。

ヨーグルトを食べて体調が悪化…じつは「日本人」にとっては「意味がない8つの健康法」(奥田 昌子)
日本人には、日本人のための病気予防法がある! 同じ人間でも外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味が...

記事には「本記事は『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』(講談社ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。」と書かれていました。

タイトルの「意味がない8つの健康法」については、次の項目が挙げられていました。

1 日本人は頑張って筋トレしても“やせ体質”にはならない
2 日本人はオリーブ油を使い過ぎると生活習慣病に
3 牛乳って必要? 日本人の骨粗鬆症発症率は米国白人の半分
4 日本人が赤ワインを飲んでも害のほうが多い?
5 日本人がヨーグルトを毎日食べると食物アレルギーを発症することも
6 日本人が夏バテをおそれてしっかり食べれば太るだけ
7 日本人の便秘予防、食物繊維を摂取するだけでは不十分
8 日本人はお茶やコーヒーで情緒不安定になる?

それぞれの項目の理由が説明されていますが、私が少なからずショックを受けたのは2つ目の「日本人はオリーブ油を使い過ぎると生活習慣病に」という項目です。なぜなら、次の投稿にも書きましたが、オリーブ油を積極的に摂ることを心がけていたためです。

オリーブ油について、記事には次が書かれていました。

オリーブ油には、動脈硬化を促すリノール酸がごく少量しか入っておらず、代わりにオレイン酸が豊富です。その後おこなわれた研究で、このオレイン酸が心臓病の発生をおさえるらしいとわかり、この説を裏づけるデータが次々に発表されました。また、オリーブ油には、コレステロールの合成を高めない不飽和脂肪酸が多く含まれています。脂肪には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がさまざまな割合で入っており、オリーブ油やサフラワー(紅花)油などの植物性油は不飽和脂肪酸が90%近くを占めます。マーガリンは77%、バターは逆にコレステロールの合成を高める飽和脂肪酸が70%です。こうしてオリーブ油はヘルシーというイメージが生まれ、いまやダイエットや便秘解消に効くとしてオリーブ油を飲むようすすめる人がいるほどです。

上記は私も認識していましたが、少なからずショックを受けたのは次の文面でした。

しかしながら、これらの成分も、すでに体内にある悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を減らすほどの効果はありません。また、いくらオリーブ油でも、大量に使えば、かえって心臓病の発症率が上がります。なぜかわかりますか? それは、油が脂肪そのものだからです。オリーブ油であろうが、ゴマ油であろうが、大豆油、コーン油、アマニ油、なんであれ、油はすべて大さじ1杯で約110kcalあります。日本人は欧米人とくらべて内臓脂肪がつきやすいので、脂肪を摂取すれば、すぐ体について、血糖値が上がり、血圧が上がり、動脈硬化が進みます。心臓病も増えるでしょう。
(中略)
オリーブ油の健康効果を示す文献はいくつも出ていますが、摂取すればするほど良いわけではないので気をつけてください。動脈硬化を防ぐには油そのものの使用をひかえるのが第一です。さらに言うと、オレイン酸は肝臓で合成できるので、意識して摂取しなくても健康がそこなわれることはありません。

上記を読んだ際、果たして正しい情報なのかと思い筆者(奥田昌子氏)のプロフィールを確認したところ、次のように書かれていました。

京都大学大学院医学研究科修了。内科医。京都大学博士(医学)。医学部卒業後、博士課程に進み基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関で30万人近くの診察/診療にあたる。海外医学文献と医学書の翻訳もおこなってきた。現在は産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。

経歴から、私は書かれている情報は正しいと判断できるように思いました。

記事は多くの方にお読みいただきたいと思いましたし、特に8つの項目のうち一つでも実践していらっしゃる方にはご一読をお勧めしたいと思います。

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