学校健診も変化していることを知りました。
心電図検査や検尿が追加され、虫卵検査や座高測定等が廃止になったことが、記事には書かれていました。
学校健診では身体診察のほかに視力や聴力の検査、心電図検査や学校検尿が行われます。心電図検査は小学校、中学校、高校の入学時に行うものです。
一方で、保護者世代が子どもの頃は、寄生虫の虫卵検査や胸囲、座高、色覚検査がありましたが、今はありません。寄生虫の検出率が低下したことや、胸囲や座高を測定しなくても成長曲線を活用することで発育の評価ができること、色覚異常はプライバシー保護の理由から除外されています。もっとも色覚異常は、児童生徒自身が自分の色覚特性を知らないまま進学や就職をして不利益が生じないよう希望者には行われています
記事では、健診時の着衣や脱衣の問題にも触れています。
脱衣に関しては、反対の署名運動が見られるなど、社会的な関心も高いようです。「子どもが嫌がっているのに」「体操着でやっている学校もある」などの意見もあるようで、保護者の疑問も、もっともで、思春期の児童生徒のプライバシーや羞恥心、心情に配慮するのは当然のことです。
そして記事では「一方で」として、着衣では十分に評価できない病気もあることが書かれていて、文科省の提案として次が書かれていました。
文部科学省は今年1月に、児童生徒等の健康診断の実施にあたって、プライバシーや心情に配慮することが重要であるとして以下のような対応を提案しています。
・診察時に児童生徒の身体が周囲から見えないよう囲いやカーテンなどを準備する
・児童生徒の診察に立ち会う教職員は同性となるよう役割分担を行う
・着替える場所の準備や待機人数を最小限にするなどの工夫を行う
・正確な検査や診察に支障のない範囲で着衣やタオルで体を覆うなど児童生徒のプライバシーに配慮する。
上記に対して、小児科医である記事の筆者は次のような見解を述べています。
私は、これに加えて、着衣や脱衣に関する問題は、脱衣で背部を確認することが検診上望ましい理由など、医療者側から学校へ、学校側から保護者や生徒に丁寧かつ十分な説明がなされず合意形成できていないのが大きな理由ではないかと考えています。当事者が納得できるよう丁寧に進めていく必要があると考えています。
児童生徒の心情を配慮した上で、有意義な健診が行われることを望むばかりです。