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Q1) 全身から発汗がありますが、これも多汗症ですか
A1) 発汗には
1.交感神経が関与している多汗症(精神性発汗):手の平、足の裏、脇
2.交感神経の影響が小さい多汗症(温熱性発汗):全身
があります。
【温熱性発汗】 皮膚の温度を感知するセンサーからの情報は交感神経経由で視床下部(上行性に)伝達されます。
外気温が上昇すると視床下部に情報が伝えられ処理され、発汗が必要と(無意識的に発汗中枢で)判断されます。この発汗の命令は交感神経を経由して(下行性に)末梢の皮膚まで伝達されます。これが温感性発汗です。
【精神性発汗】緊張した大脳前頭葉が視床下部に発汗命令を出しますが、多汗症の人では視床下部が過剰に反応して、それほど緊張していないにもかかわらず手のひらの発汗がきびしい状態が持続してしまいます。
Q2) 雨の日には発汗が少ないのはなぜですか
A2) 気圧は自律神経に作用することが解明されていまして、高気圧(主に晴れ)のときには白血球中の顆粒球が多くなって交感神経が反応しやすくなり、反対に低気圧(主に雨)のときにはリンパ球が多くなって交感神経よりも副交感神経が優位になりやすくなります。多汗症の方では交感神経の過敏な反応が関与していますから、気圧の影響を受けて、低気圧の状態である雨の日には症状が軽減される方が多いです。稀にですが、その反対の方もいらっしゃいます。
Q3) 冷える場合とほてる(熱感)場合
A3) 多汗症は交感神経の関与があるのでその作用である血管収縮のために冷えを伴う方が多いですが、反対に、優位になった交感神経に拮抗して副交感神経も過敏に反応し、その結果として血管拡張のための熱感を感じる方がおられます。
Q4) 水分摂取と発汗は関係がありますか
A4) 多汗症には精神性発汗と温感性発汗などがあり、手足や脇などの精神性発汗の場合は水分摂取にはほとんど関係がありません。
それと反対に広い範囲に発汗が見られる全身性発汗の場合には温感性発汗を伴うことも多く、その際には水分摂取が発汗にも影響することがあります。そうかといって発汗した水分を補わないと脱水や熱中症の起因につながる可能性もありますから、気温が高い時期の全身性発汗(または広い範囲に発汗がある方)では水分摂取を上手(ミネラル分も補うなど)になさることをおすすめします。
Q5) 多汗症は子供に遺伝するのでしょうか
A5) 交感神経が過敏に反応しやすいという体質が遺伝する可能性はありえることとは思いますが、お子さんが小さいうちは大人よりも発汗が多いですから、多汗症と決め付けないで見守ることをお勧めしたいと思います。そして、もし遺伝したとしても、親御さんが一番の理解者となって支えてあげることが、お子さんには一番心強いことと私は思っています
Q6) タバコは発汗と関係がありますか
A6) タバコの成分であるニコチンには交感神経刺激作用がありますから、交感神経が関与している多汗症の方では発汗が増える場合が多いです。他の飲食物ではカフェインの多いコーヒーや紅茶、カフェイン類似物質が含まれるチョコレートやココアなどにも交感神経刺激作用がありますから、摂りすぎにはご注意ください。
Q7) 自律神経のバランスを改善するには、どのような方法がありますか
A7) 自律神経系のバランスを整える助けとなる方法には呼吸法、温冷浴などがあります。
呼吸法と温冷浴は自律神経と呼吸、温冷浴のページで方法などを参考になさってください。
Q8) プロ・バンサインについて教えてください
A8) プロ・バンサインは唯一多汗症の認可がある薬剤です。
医師の処方でのみ調剤が可能な薬剤のため、薬局薬店で市販はされていません。強力な抗コリン作用がある薬剤のため発汗抑制の効能がありますが、唾液や涙、消化液などの分泌も抑制してしまい、口の渇き、便秘、尿が出にくい、かすみ目などが副作用として報告されています。代償性発汗のある方や全身多汗症の方の、いざというときの選択肢の一つになるものとは思いますが、効果や副作用の発現に個人差が大きい薬剤でもありますので、事前に服用なさって、効果の度合いをお確かめになることもお勧めしたいと思います。効能効果では以下のページなども参考になさってください。
Q9) ボトックスについて教えてください
A9) ボトックスとはボツリヌス菌を注入する方法ですが、ボツリヌス菌の 神経節に対する作用を利用して発汗を抑制するという機序のものです。ボツリヌス菌は食中毒の原因菌ですが、毒素を少量だけ注入することで交感神経が遮断されることが解明され、その方法が多汗症に応用されています。毒素であっても少量の使用ということで安全性は確かめられていますが、効果が永久的ではなく定期的な注入が必要なこと、健康保険が適応にならないので費用がかかる点(1回10万前後のようです)など がネックとなっているようです。
Q10) 手掌多汗症のレベルとは
A10)
レベル1
湿っている程度。見た目にはわかりにくいが、触ると汗ばんでいることがわかる。水滴ができるほどではないが、光を反射して汗がキラキラと光っている。
レベル2
水滴ができているのが見た目にもはっきりとわかる。濡れている状態。だが汗が流れるところまではいかない。
レベル3
水滴ができて、汗がしたたり落ちる。
(てのひらの機嫌より抜粋させていただきました)