気の働きと食べ物

最近は、病原菌による病気よりもストレスなどの精神面が影響する病気が増えています。

中国では、食べ物と「気」の密接な関係が古くから言われており、毎日の食事を安らぎのある環境で、穏やかに食べることを大切にしてきました。

現在、日本にはありとあらゆる食べ物があふれ、お金が許せば、好きな物を好きなだけ食べられる時代になりました。
しかし、食生活が豊かになったとは言い切れない面があります。たとえば、インスタント食品の普及や食品添加物の過多、そして偏食などの影響から、現実には理想的な食生活とは遠いものとなっています。
そして、健康に対する関心は高くなり、自然、健康食品、栄養強化食品などが登場しました。さらに種々の健康法がブームになっては去る、という繰り返しが続いています。

現代人はそれだけ健康に留意しているわけですが、実際の食生活ではむしろ不健康な食生活を送っている、と言えます。日々の食べ物は私たちの身体を作り、活動源ともなっています。にもかかわらず、現在は物が豊富にありすぎてどうしても自分の好きな物を中心に食べるような食生活になってきていいます。その結果として糖尿病、アレルギー疾患、肥満症などの体質的疾患が増加してきました。

「自然食しか食べない」と言う人がいますが、あまり行き過ぎに
なると、ストレスになりかねません。食べるという行為は、栄養
的な問題だけでなく、精神面にも作用する問題なのです。

たとえば、野菜ひとかけらでも、気のあった友人たちと楽しく食べると、野菜ひとかけら以上の価値が出てきます。
これと反対に、気の合わない人と、高価な料理を食べたのでは味や栄養も半減するばかりか、身体のためによくないこともあるのです。

このことからもわかるように、栄養価の高いものを食べても、その人の精神状態によっては、実にならないこともあります。やはり、食事の時は、できるだけ楽しく食べることが大切です。

正しい食生活を送るポイントは、その人の体質に応じて、いかに食生活のバランスをとるかにあります。貧血で冷え性の人が生野菜や果物を過食していたのでは、病状はよくなりませんし、逆にアレルギー体質の人が、肉類や甘い物に偏った食生活をしていると、アレルギーを悪化させることになるのです。

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