脳を働かせよう
脳は、脳全体で1000億個、大脳皮質だけで140億個もの神径細胞(ニューロン)を持っています。
個々のニューロンは独立していて、シナプスというつなぎ目で結ばれています。1つのニューロンには、約1000個から20万個のシナプスがついています。
このニューロンは、いわゆるネットワークをつなげる大切な役目を持っているのですが、年齢に関係なく周囲の環境から刺激がある限り成長し、そのたびに脳も若返ります。
若返りの一つの方法として、もし物忘れをしたら、時間がかかっても思い出すように努力します。そして思い出した瞬間に脳では神経細胞への信号の流れを悪くしていたネットワークのサビが落ち、以前のようにスムーズな信号の流れが再開します。“わかった”ことでβ-エンドルフィン(快感ホルモン)が分泌されます。脳は常に快感を求めているのです。
可塑性ということ
脳には、可塑性という性質があります。可塑性とは、環境から受けるいろいろな刺激に反応して、ニューロン間のシナプスを作っていくことです。可塑性が一番強く働くのは9歳までですが、成人してからも失われるということはありません。ですから、何にでも積極的に好奇心を持って気に入ったことを率先してやってみましょう。
記憶力を高める
年をとったからといって、覚えることをあきらめてしまうのは、脳を老化させることになります。常に記憶する訓練をするために、例えば本を読むのが好きなかたでしたら付箋をつけるかアンダーラインを引いておいて後で読みなおすとか、映画が好きなかたでしたら、気に入ったセリフや感想をノートに書いたりなさることです。楽しみながら憶えることで自然に記憶のトレーニングになります。
記憶ができたかどうか問題なのでなく、記憶しようとトレーニングすること自体に脳の老化を防ぎ、脳のネットワークを伸ばすことになるのです。
(参考:脳がよみがえる80のヒント佐藤富雄著)