認知症とストレス

今日はプラスチックのゴミ出しの日でしたので、それらを持って午前8時少し前にゴミ集積所まで行き、家に戻る途中にご近所さんから声をかけられました。

その70代半ばのご近所さんは、我が家の隣の家の移動フェンスを閉めながら「開いていたから」と私に言ったのです。

私はと思いながら我が家の裏のドアから入ろうとすると、「あら、違う家?」と言いました。

ご近所さんは私が住む家を勘違いしたようでした。

そのご近所さんは我が家のすぐ近くに住んでいて、つい先日までは我が家と私のことを認識していたはずなので、今朝の出来事は私の心を重くしました。

昨年から今年にかけてのコロナ禍で高齢者は外出を控えるようになり、特に一人暮らしの高齢者は会話も減り、それに加えて感染症への不安が認知症のリスクとなっていることを感じていた矢先に今日の出来事があったため、次の「認知症とストレス」は旧サイトに載せてあった記事なのですが転記することにしました。

認知症とストレス

広範な記憶障害に加え、理解力、判断力の低下、人格の変化が現れ日常生活もままならなくなる認知症は、原因や発症のメカニズムは未解明の部分が多いのですが、脳の神経細胞が多数消失したり、組織が広範な障害を受けるなどして、脳が萎縮することによって起こるとされています。

原因となる疾患は70以上あり、日本では脳血管障害が最も多く、ついでアルツハイマー病といわれています。老人医療の専門家の多くは、悲しみやショックで認知症が悪化する症例を経験してはいますが、それらは主因でなく引き金にすぎないとの認識が一般的なところです。

しかし近年「サイエンス」「ネイチャー」など一流科学誌に、精神的ショックがじかに記憶障害や認知症に結びつくことを示唆する研究結果が相次いで報告されています。長く続くストレスやうつ病で、副腎皮質ホルモンの分泌が続くと、脳内で記憶をつかさどる「海馬」の細胞を死滅させ、記憶障害から、認知症を招きうるということなのです。

欧米のこうした研究に注目していた浜松医科大学の高田明和教授によると、1995年に、米エール大のブレナー教授らがベトナム帰還兵を調べ、前線で持続的な強いストレスにさらされた期間が長いほど海馬が萎縮してPTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症が見られることを明らかにし、社会に衝撃を与えました。

その後、ネズミでは親が子をなめたり毛づくろいをするなどして育てた場合、触れ合いなしに放置しておいた場合より子ネズミの海馬細胞が明らかに多いことがわかりました。米ペンシルバニア大のコフィー教授は、スキンシップの多いお年寄りは、少ないお年寄りに比べて明らかに脳の萎縮が少ないことを報告しています。

心の傷が脳を萎縮させ、愛情がその障害から脳を守ることが科学的に解明されつつあります。遺伝が左右するといわれる脳ですが実はその働きを十分に発揮するためには、環境に留意して自ら脳を守ることが大切なのです。

脳を若く保つ法

  1. つとめて身体を動かす
  2. 太陽の光を浴びることはもちろん、室内もあまり暗くせず、明るくすることを心がける
  3. 睡眠を十分に取る
  4. 肉、甘いものは脳を活性化することを認識する
  5. 瞑想や精神の統一を心がける
  6. 自分を信じ、後悔や自己批判はほどほどにする
  7. 人とのきずなや信頼関係を大切にする
  8. 医師に気楽に相談する          

(参考:脳を鍛えよう、エール出版、高田明和著)
 

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