公共交通機関の優先席

今朝、娘が2歳の孫を保育園に連れていっている間、たまたま幼稚園が休みだった5歳の孫とNHKEテレの番組を見ていました。

朝のNHKEテレは子供向けの番組構成になっていますが、TVのスイッチを入れた時間には小学校低学年くらい向けの番組を放送していました。

今朝のその番組は公共機関の優先席についての内容で、3人掛けの優先席に座っていた50代くらいの男性がドアの近くに立っていた70代くらいの男性に気づいて席を譲ろうとしたところから始まりました。

番組ではその席に20代後半くらいの青年が座ってしまい、立った男性が「ちょっと君」と言ってもヘッドホンをしている青年は聞こえなかったのか無視、横には30代前半くらいの女性が座っていて、もう一つの席には別のお年寄りが座っているという設定でした。

そして番組では「誰が一番悪いかな」と問いかけたので、私が5歳の孫に「誰が一番悪いと思う?」と聞くと、孫は「座ったおじさん」と言って20代後半くらいの青年を指しました。

番組では続けて「女の人は悪くないの?」と問い、座っていた30代前半に見える女性に「おじいさんのことは見えていましたか?」と聞くと、女性は「私は妊娠しているんです」と返答したのです。

その女性はまだお腹が大きくなっていない妊婦さんだったので、外見からは妊婦さんと分かりにくいという設定のようでした。

番組では「誰が一番悪い」の回答はされていなかったため、優先席の意味を考えさせるのが意図なのだろうと私は解釈しました。

優先席のことでは私には辛い記憶があり、番組を見ながらその時のことを思い出しました。

30年近く前になりますが、入退院を繰り返していた時期、通院時の帰りの電車でのことでした。

貧血で治療後の疲れもあった私は優先席に座っていたのですが、前に立った男性から「自分は障がい者なんだ。手帳を見せようか」と言われ、突然のことに私はビックリして立つしかありませんでした。

座ったその男性は隣の人に「これからダンスの練習に行くんです」と言うのが聞こえました。

私はそれを聞いていたたまれない気持ちになり、降車駅ではなかった次の駅で降りてしまいました。

体調が悪かったためホームのベンチにしばらく座っていましたが、精神的にもきつい時期でもあったためか、悲しいのとみじめなのとが半々くらいの思いがこみ上げて涙が出たのを覚えています。

優先席は「弱者への思いやり」という捉え方であっても、「弱者」に対する認識が人によって異なるように思います。

孫と見た番組から自分の体験を思い出し、優先席について改めて考えさせられた気がしました。

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