私は毎朝のウォーキングが習慣になっているため、記事のタイトルが気になって読みました。
記事は早稲田大学スポーツ科学学術院の宮地元彦教授(身体教育学・スポーツ科学)が説明する形式となっていて、大規模なコホート研究(疫学調査)により次の結果が出たと書かれていました。
1日約2千歩の方を基準にして見た時、5千~7千歩に増えるあたりまでは死亡リスクが下がっていることが分かります。ところが、7千歩を超えると死亡リスクはほぼ横ばいとなっています。つまり、フレイルではない高齢者は、1日5千~7千歩までは歩くほど死亡リスクが下がるものの、その効果は7千歩前後で頭打ちになることが分かったのです。
以前、次の投稿をして、歩けば歩くほど健康になるわけではないことは理解していましたが、疫学調査での結果はそれを再認識させてくれました。
歩行効果の頭打ちについて、記事に登場する宮地教授は次のように説明しています。
その方の筋力などに見合わず歩き過ぎたために膝や腰を傷(いた)めてしまったり、急に歩数を増やして転んで骨折し、フレイルに陥ってしまうこともあります。薬も栄養も取り過ぎは良くないのと同じで、歩行にも各自の閾値(いきち)があるのです。
上記を踏まえた上で、宮地教授は次の見解を述べています。
若い方も高齢者も、先ほど申し上げたように自分の限界を超えてけがをしてしまうようなことさえなければ、そして楽しいのであれば、5千歩や7千歩以上歩いてはいけない、というわけではありません。1万歩でも1万5千歩でも好きなだけ歩いてください。たしかに、1万歩以上歩いても死亡リスク低減効果はさして上がらないでしょう。しかし、筋トレの場合、1日2時間以上やるとかえって死亡リスクが上がるという論文がある一方、歩行に関してそれはない。他の運動と比べて健康を損なうリスクが極めて小さいのが歩行の特徴です
私の場合、最近では1日の歩数が1万歩前後になることが多いです。
歩くことでエネルギーは消耗しますが、全身の血液循環が良くなることで胃腸の働きも良くなることを実感しているため、少なくとも1日8000歩は歩くことを続けたいと思っています。
宮地教授は最後に次のように述べていました。
やはり、フレイルになってしまった方が1日あたり5千歩歩くのは難しいと思いますので、フレイルにならない対策を取ることが極めて重要になります。歩くことはフレイルの予防にもなりますので、そうなる前から5千歩程度を目指して歩きましょう。
皆様にも、ご自身に合った適正歩数を続けていただければと思います。