新型コロナウイルス感染症の予防接種が始まった頃から、アナフィラキシーの報道を目にされた方もいらっしゃると思います。
アナフィラキシーは重篤な全身性の過敏反応であり、迅速な対応が必要となります。
次の記事は偶然に目にしたのですが、アナフィラキシーのサインについてわかりやすく説明されていましたので、ここに紹介させていただきます。
記事には3つの事例が書かれ、3つのうちどの例がアナフィラキシーかという問いと、実は3例ともアナフィラキシーの可能性が高いという種明かしが書かれていました。
(A)昼食後しばらくして腹部などを中心にかゆみを伴う発疹が見られ、喉が詰まる感じがする
(B)ハチに刺された数分後から息が苦しく、気が遠くなる感じがする。発疹は見られない
(C)鎮痛薬を内服した後から気分が悪く、 嘔吐 した。自宅で血圧を測定すると普段は140/80程度の血圧が100/65に低下していた。明らかな発疹は見られない
次に、診断基準として二つのポイントが書かれていました。
<1> じんましんなどの皮膚症状に加えて、呼吸が苦しいなどの呼吸器症状、血の気が引いたり気を失ったりするなどの循環器症状、気持ち悪くて吐いたり腹痛に襲われるなどの消化器症状――このいずれかを伴う場合。
<2> 皮膚症状が見られなくても、アレルゲン(アレルギーの原因物質)の可能性が高いものを体内に取り込んでしまい、<1> の呼吸器症状や循環器症状が見られる場合。
そして、上記二つの診断基準についての説明が書かれていました。
アレルゲンの可能性が高いものとは、食べ物(甲殻類、卵、牛乳、ピーナツ、小麦、果物など)、薬品(抗菌薬、鎮痛薬、造影剤など)、ハチなどによる虫刺されなどです。
食事を取った後、薬を飲んだ後、ハチなどの虫に刺された後に起きやすいため、これらの後に<1><2> のような症状が出た場合は注意してください。
医師である記事の筆者は、記事の最後につぎのことばを書いています。
アナフィラキシーであることを早期に確認することと、アドレナリンを迅速に投与できるかどうかが、生死を分けます。まずは疑うサインを知り、治療介入のタイミングを逃さないようにしましょう。
もしもの時のために、皆様にも上記内容をご記憶いただければと思います。