大腸がんの分子標的治療薬

以前次の投稿をしましたが、がんの中でも特に大腸がんが増えていることをご存じの方もいらっしゃると思います。

私の場合は大腸ポリープができやすいため、がんが心配で定期的に大腸内視鏡検査を受けているのですが、今朝、興味深い記事を読みました。

大腸がんの転移が進み、手術もできなかった友を救った薬とは | ヨミドクター(読売新聞)
2人に1人ががんを経験するといわれています。がん患者と向き合う医療者は、日常の診療の中で何を思い、感じているのでしょうか。国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医師らが、患者さんとのエピソードを語ります。今回は、副院長(研究担当)・消化...

上記事には、医師である筆者の親友の、転移もあって手術もできないほど進行した大腸がんが薬物療法によってほぼ治った(3年以上再発が無い)ことが書かれていました。

その薬物療法について、筆者は次のように説明しています。

抗EGFR抗体という薬です。がん治療に使われる分子標的治療薬の一種で、がん細胞の増殖にかかわる上皮成長因子受容体(EGFR)に結合して、増殖を抑制します。

がんの分子標的治療薬は2000年代以降に次々と登場し、今は広く使われています。抗EGFR抗体の場合、細胞増殖にかかわるたんぱく質RASの遺伝子に変異があると効果がないため、事前に検査をして変異がないことを確かめる必要があります。親友の場合はRAS遺伝子に変異がなく、抗EGFR抗体が使えました。

画期的な療法に思えますが、筆者は「普通なら7割ぐらいの確率で再発します。これほど効くのは数%程度でしょう。」とも述べています。

しかしながら、記事にも書かれているように、この薬物療法が多くの患者さんの希望の光となったことは確かなのではないかと私も思いました。

記事には、がんの分子標的治療薬が徐々に開発されていることも書かれていました。

それらの多くは肺がん、大腸がん、乳がんなどが対象だそうですから、今後の開発によって、手術もできないまで進行したがん患者さんたちが救われることを願うばかりです。

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