人の顔が覚えられないという症状は知っていましたが、偶然に目に留まった記事から、その症状は「相貌失認」と名付けられた病気だと知りました。
相貌失認(別名失顔症)について、記事に登場する東京慈恵会医科大学付属第三病院リハビリテーション科診療部長の渡辺修さん(慈恵医大教授)は次のように説明しています。
顔に関する認知の障害です。家族や親しい友人であっても、顔を覚えられず、区別がつきません。ただ、顔以外、例えば、声や足音、身につけているアクセサリーなどで、誰なのか把握することはできます。
人の顔を覚えられないということ以外、ほかの認知機能は正常である場合が多いです。まれに、空間の認識障害、例えば、奥行きが分からない、階段が怖い、道に迷うといった問題を抱えている方もいます。
要因には先天的な場合と後天的な場合があるそうで、渡辺さんは次を述べています。
主に、脳の右側の側頭葉には、顔の認識に関わる領域があります。何らかの要因により、この部分がダメージを受けると、顔が認識できなくなると考えられています。
記事には、脳卒中などが要因で後天的に相貌失認になった場合はリハビリによって回復が期待できると書かれていました。
リハビリをすることで回復が期待できます。家族の写真を見ながら名前を覚えたり、ドラマを見ながらストーリーを追ったりすることで、脳の、顔の認識に関わる領域が刺激されます。その部分の細胞が回復しなくても、周辺の細胞がその機能を補おうと活動し、顔認識ができるようになる可能性が高まります。
先天的な相貌失認の場合は、残念ながら回復はあまり期待できないそうです。
一方、生まれつき相貌失認があったり、進行性の認知症であったりする場合、回復はあまり期待できません。声の調子や態度でその人を認識できるようにする、対面する相手の方には名札をつけてもらうなどの工夫が必要です。
外見からはわからない病気ですが、周囲の理解があれば日常生活にも大きな問題は生じないのではないかと感じました。
もし相手が相貌失認ではないかと感じたら、次に会ったら際には記事に書かれているようにこちら側から名を名乗るようにしようと思いました。