不眠と睡眠不足の違い

「不眠気味で睡眠不足」と、私も言ったことがあります。

でも、その言い方は医学的には間違いだそうです。

不眠と睡眠不足、体に悪いのはどっち?…「不眠ぎみで、すっかり睡眠不足」 その言葉、医学的には誤りです | ヨミドクター(読売新聞)
こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。  「最近不眠ぎみで、すっかり睡眠不足です」という相談を受けることがあります。お悩みの内容は分かります。でも、医学的に...

医師である記事の筆者は、不眠を次のように説明しています。

不眠(不眠症)は、寝床に入っても「寝つけない」「途中で目を覚ます(中途覚醒)」「朝早く目が覚める(早朝覚醒)」などの不眠症状が出現し、そのために日中に眠気や 倦怠けんたい 感、頭重、頭痛、いらいら、作業能率の低下などの不調が出てくる睡眠障害です。

一方、睡眠不足については次のように書いています。

寝床に入れば眠れるのに、そもそもその寝る時間が短いのが睡眠不足です。睡眠不足の多くは就寝時刻が遅い(遅寝)ために起こります。
(中略)
睡眠不足の人はいったん寝床に入ればあっという間に眠りに入り、その後も爆睡できますが、睡眠不足が解消される前に出社や登校時刻を迎えて睡眠不足を蓄積してしまいます。つまり、睡眠不足は眠れるのに「眠らない」のが特徴です。

また、筆者は双方の違いを次のように書いています。

不眠症では深い睡眠(深いノンレム睡眠)が著しく少なくなり、浅いノンレム睡眠とレム睡眠が主体になります。またいったん寝ついても、夜間に何度も中途覚醒するなど寝続ける力が弱くなります。
逆に、睡眠不足では深いノンレム睡眠は増加し、逆に浅いノンレム睡眠やレム睡眠は減少します。

続いて次のように書かれていました。

深いノンレム睡眠中は大脳皮質の活動が低下し、いわゆる脳の冷却(クールダウン)が行われます。睡眠時間が制限される中で、もっとも効率よく脳を休ませるために深いノンレム睡眠が増加する(せざるを得ない)のでしょう。
一般的に、健康な若年成人では深いノンレム睡眠は全睡眠時間の15~20%を占めますが、重度の睡眠不足時にはその割合が50%以上を占めることもあります。

中高年に多い不眠症、働く世代に多い睡眠不足」とのことですが、どちらかでお悩みの方々はその違いを理解し、受診や生活習慣の見直しなど、放置せずに適切な対応をお勧めしたいと思います。

次の投稿なども参考になさってください。

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