皆様は成年後見人という役割をご存じでしょうか。
成年後見人について、神奈川県のサイトには次のように書かれています。

成年後見制度とは、自分ひとりで判断することが難しい方について、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等が、身の回りに配慮しながら財産の管理や福祉サービス等の契約を行い、ご本人の権利を守り生活を支援する制度です。
実は、当店に来店されるお客様が「後見人が付いたから病院にも行けない」とおっしゃっていたのが気になり、後見人制度を調べてみようと思ったのです。
おっしゃっていたのは、80代の女性の方(以降Aさん)で、遠方に息子さんがいらっしゃるということは聞いていましたが、疎遠になっているようで、長年一人暮らしを続けていらっしゃいます。
Aさんについて、昨年秋くらいから少しずつ認知機能が落ちているように感じていましたので、遠方にいる息子さんが成年後見人を立てたのではないかと察しました。
私が様子の中で特に気になっていたのは、「物とられ妄想」でした。お金や物品が泥棒に盗まれたとおっしゃり、その犯人もわかっていると何度も聞かされました。

そのような状況から成年後見人が付いたのかもしれないですが、「病院にも行けない」ことが気になって検索したところ、次のページを見つけました。

上ページに、被後見人ができることとして次が書かれていました。
成年被後見人は単独で法律行為はできませんが、すべての行為について制限を受けるわけではありません。
本人の自己決定権尊重の観点から、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」について、成年被後見人は単独で法律行為ができます。成年後見人には、成年被後見人の行為を取り消す権限がありますが、この「日用品の購入その他日常生活に関する行為」については取り消すことはできません。
上記から判断すると、病院やクリニックに行くことは制限されないと考えられるので、Aさんが次に来店された際にでもお話してみようと思いました。
Aさんは後見人が付いてからは自由が奪われたと思っていらっしゃるようで、「生きていたくない」とおっしゃることもあり、私も胸が痛んでいます。
疎遠になっている息子さんが後見人制度を利用するだけではなく、時々会いに来るなど、Aさんが少しでも安心できる対応をしてくれることを願うばかりです。