水中毒の痙攣(けいれん)

「水中毒」という言葉をご存じの方もいらっしゃると思います。

水中毒とは大量の水分摂取により体内溶質が薄められて生じる症状のことで、大量発汗による水分不足を補おうとして水のみを大量に摂取した結果、血中のナトリウム濃度が急速に低下した際などに生じます。

水中毒については、以前次の投稿をしています。

上投稿にもありますように、水中毒を発症すると吐き気や頭痛などの症状から始まり、さらにナトリウム濃度の低下が進行すると、細胞の体液バランスが狂ったことで脳浮腫となり、けいれんや意識障害を起こします。

上記症状の中のけいれんですが、具体的な状態が書かれた記事がありましたので紹介させていただきます。

「水中毒」で全身がつる! 熱中症…スマホも持てぬ恐怖の数時間 | ヨミドクター(読売新聞)
こんにちは。編集長の原田です。不定期にコラムを掲載します。「半径2メートル」をモットーに、病気や医療に関する、ごく身近な話題を取り上げます。まずはこの夏も猛威を振るう「熱中症」にまつわる、ちょっとコワイ体験談を――。  茨城県つくば市に単身...

私は上記事を読み、水中毒の痙攣の恐ろしさに背筋が寒くなる思いを感じました。

なぜ背筋が寒くなるほどの恐ろしさを感じたかと言いますと、私のような高齢者が一人でいるときに全身けいれんを起こしてしまったら命に係わる事態になりかねないと思ったためです。

痙攣を体験した記事の筆者はランニングが趣味と書いていますし、体力的にも弱くなかったと察せられるので、3時間余り続いた痙攣を乗り切れたのではないかと思えたのです。

水中毒予防には水分以外にナトリウムなどのミネラル補給も重要なのですが、注意していただきたいのは、記事にも書かれているようにランニングや重労働などの大量発汗時ではなく日常生活での塩分過剰は身体に悪い影響を与えますのでご注意ください。

ランニングや重労働の場合はともかく、日常生活で熱中症予防に食事以外で塩分をとるのは、塩分過多になる可能性があり、かえって体には良くないそうです。日本高血圧学会は先日、熱中症予防として「水はのどが渇く前にこまめに飲む」「多くの塩分が含まれるスポーツドリンクや経口補水液は飲み方に注意する」――といったアドバイスを発表しました。

9月に入っても残暑が続いていますから、皆様にも適切な水分補給、そして状況によってはミネラル補給を心掛けていただければと思います。

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