メディアでは、毎日のように熊によるトラブルを報じています。

その熊はもちろんですが、動物に噛まれた際の注意に関する記事に目が留まりました。

記事には様々な動物に噛まれた事例が載っていて、熊では次の例が紹介されていました。
イノシシやクマなどの大きな動物に襲われた場合によくみられるのですが、けがの直後は興奮状態のため、痛みを感じないことがあります。クマに襲われた男性を診た時も、 肋骨 が折れ、肺が破裂していたにもかかわらず、「クマは追い払った」「痛いところはない」とおっしゃっていました。
熊やイノシシなどの大きい動物だけではなく、ダニのように小さな生き物に噛まれた際の例も紹介されていました。
以前、神奈川県で診た男性は、何かに足をかまれたものの、ポチッとした点があるくらいだったので、1週間ほど放っておいたそうです。そうしたら足がゾウのように腫れあがり、皮膚もぐちゃぐちゃになってしまい、受診されました。ダニが媒介するツツガムシ病という感染症でした。男性は糖尿病で、その影響もあって感染が広がってしまったのです。足の切断まではいきませんでしたが、皮膚を何度か移植し、半年ほど入院しました。回復したものの、関節や足首を菌にやられてしまい、歩行には障害が残りました。
ペットにも注意が必要だそうです。
動物の口内には雑菌が多く存在しています。そのため、かまれた傷から細菌やウイルスに感染する恐れがあります。野生動物だけでなく、ペットも注意が必要です。ある統計では犬にかまれて受診する例が猫の10倍近くあるといわれていますが、感染が重症化する例は猫の方が多いです。また、福祉施設や保育施設などで人にかまれることもありますが、これも軽くみてはいけません。人間も動物ですから、唾液には雑菌が多く含まれています。
外傷・救急外科医である記事の筆者は次のようにアドバイスしていますので、皆様にもご記憶いただければと思います。
かまれた場所がすごく腫れてきたり、痛みが全然引かなかったり、症状が悪化していると感じた場合はすぐに受診してください。感染の重症化を防ぐには、感染源の除去、破傷風予防、抗生剤投与など早期の適切な治療が重要です。大きな動物の被害に遭った場合は、外傷がなくても骨や内臓が損傷していることがあるので、医療機関で診てもらってください。
