タイプ別の風邪予防

日中は半袖で大丈夫であっても、朝晩は長袖に上着が必要なくらいの気温になってきました。

空気も乾燥するようになって、風邪に要注意の時期です。

風邪ウィルスは低温乾燥を好みます。低温乾燥は身体の免疫力を低下させ、さらに鼻やのどの粘膜を乾燥させて繊毛の働きを鈍くし、風邪ウィルスの環境を整えてしまいます。風邪の対処法もタイプによって少しずつ違いますので、特徴のあるタイプの注意ををまとめてみました。

子供の風邪

生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫をもっているので風邪をひきにくいのですが、この免疫がなくなる生後3ヶ月くらいから3歳頃まではよく風邪をひきます。また、免疫がある程度できあがる10歳頃までは、風邪には十分注意が必要です。

子供の風邪の特徴は症状の変化が激しいことです。体温調節など身体の機能が未発達なので、突然高熱を出したり、朝元気だったのに午後になったらぐったりしていたということもよくあります。そのためにお母さんは、お子さんが風邪をひいたら症状の変化をよよく観察することが必要です。

高熱、ぐったりしている、症状が急変した、1週間以上長引いているような場合は合併症や他の疾患の場合もありますから、専門医に受診なさることをお勧めします。

食欲の無いときには、無理やり食べさせることよりも、水分の補給が大切です。お子さんの場合は、発熱、下痢、食欲不振による脱水症状を起こしやすいので注意してください。食欲が出てきたら、温かくて消化の良い食事で栄養をつけましょう。少し元気が出てきたら、無理に寝かせておかなくても、暖かい室内で静かに遊ばせても大丈夫です。

高齢者の風邪

高齢者の風邪で特に注意したいのは、こじらせて気管支炎や肺炎などの合併症を起こしやすいことです。高齢者は一般的な感染症の症状である発熱などが目立たないこがよくありますので、注意が必要です。

風邪ウィルスに感染し炎症が起こると、発熱物質が作られ、これが脳の視床下部にある体温調節中枢を刺激して体温が上昇します。高齢者は発熱物質をつくる機能が衰えているので、熱があまり出ないと考えられています。

また高齢者は気道の働きが弱く、痰がたまっても咳で外に出しにくいことが多いので、ウィルスが気道の奥へと侵入し、気管支炎や肺炎を起こしやすくなります。

なんとなく元気がない、いつもより食欲がない、ボーッとしている、などが高齢者の風邪のサインですので、いつもと様子が違うと感じたら早めに対処することが大切です。

忙しい人の風邪

忙しくてなかなか休めないという人は、「風邪かな?」と思った段階で早めに風邪薬を服用し、忙しくても睡眠だけは確保することが大切です。特に、経験上風邪が長引きやすい人、50歳を過ぎた人(本人が考えているより体力が落ちています)は早めの対処が大切です。

風邪を治す基本は「安静」と「栄養」です。ウィルスと戦うのは自分の身体ですから、体力を温存する必要があるためです。

免疫力を高めるために、食事は消化が良く良質のタンパク質をとり、忙しくて食事が不規則な場合でも、牛乳やヨーグルトなどをおなかに入れ、薬の服用を忘れないようにしましょう。

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