現役医師の感染体験

偶然に目に留まった記事ですが、数百人の感染者を直接対面で診療してきた医師が感染してしまった際の体験を基にした見解が参考になりました。

だから過去最大の感染爆発が起きている…コロナ感染した現役医師が語る「BA.5の本当の怖さ」 「ただの風邪だろう」と思っていたら…
とうとう感染してしまった。新型コロナウイルスに、である。一昨年に始まったコロナ禍以降、現在に至るまで、おそらく数百人の感染者を直接対面で診療してきた私だが、実際に感染したのは初めてだ。幸い軽症で、発…

筆者は医師であるため、自宅にあった抗原検査キットによる自己検査から保健所への届け出まで迅速に進んだことが書かれていましたが、一般の場合は次の過程になるそうです。

一般の方々の場合、検査キットが手元になければ、まず発熱外来を予約するところから始めなければならない。感染爆発している現在、どこも予約はすぐに満了だろう。市販の「体外診断用医薬品」であるキットが手元にあって自己検査で陽性を確認しても、まだ多くの自治体では外来を受診しなければ診断確定とはならない。発症から診断確定、届け出まで早くとも2日、遅ければ数日かかりかねない状況なのだ。

私は毎年7月に人間ドックに準ずる検査を受けているのですが、数日前、それを予約しようとクリニックに電話した際、何度かけても通話中でした。

やっと繋がって検査の予約はできましたが、発熱患者さんからの問い合わせでクリニックもたいへんなようです。

どのクリニックも同様だとすると、感染を疑わなければならない状況になってしまった際にはどうなるのかと不安になりました。

筆者は問題点として2点を挙げています。

*第1は、発症後いかに速やかに検査に到達できるかだ。

*第2は、自己検査で陽性となった場合に、改めて医療機関を受診せねば診断確定とされないという現状だ。まず検査陽性者が受診できる医療機関が限られている。運良く近所にあったとしても、外来機能が逼迫ひっぱくしている現状で即日受診できるとは限らない。受診できなければ保健所への届け出もなされない。保健所に届け出されなければ、フォローアップもされないし、食料品など自治体からの物資提供もない。陽性という結果を手元に置きながら、不安とともに過ごさなければならないのだ。

上記を踏まえ、筆者は次のように述べています。

検査キットの各家庭への無料配布、自己検査陽性者の迅速な感染者認定登録、この2点は、感染急拡大の今、感染者の保護救済と医療機関の逼迫緩和の双方の意味からも、緊急にすべての自治体で導入されるべきだ。自己検査陽性を踏まえて確定診断する医師が足りないという報道もある。これまで診療に協力的でなかった医療機関にも声をかけ、総動員で対応する必要があるのではないか。

私も6月の入院時にPCRと抗原検査の両方を受けましたが、鼻腔から検体を取る方法がけっこう痛かったです

記事の最後には次の文面がありました。

「検査したいのに受診したいのに、発熱外来はどこも予約満了、どうすりゃいいんだ!」との怒りの気持ちは痛いほど理解できる。だがその怒りは医療機関やそこで懸命に働く医療従事者にぶつけるのではなく、このような脆弱な医療体制を長年にわたって放置してきた政治の不作為に、ぜひぶつけていただきたい。そして一日も早くまっとうな医療政策を行うよう声を上げていただきたい。その声は決してムダにはならないはずだ。

新型コロナウィルスの感染者1例目が2019年12月に報告されてから、もう少しで丸3年になります。

政府には、何をさて置いても早急な医療整備への対応を願いたいです。

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