次の記事のタイトルが目に留まり、無くても生きていける臓器と無しでは生きていけない臓器に関しては想定内でしたが、わかりやすい内容に納得させられました。
記事は、山本健人著『すばらしい医学』の内容の一部であることが記事に書かれていました。
まず「臓器の役割」として、次が書かれていました。
私たちの体に無駄な臓器は一つもない。
ただし、「なくても生きられる臓器」は多い。いくつか例をあげてみよう。
胆石などが原因で、胆嚢を摘出する手術を受ける人は多い。胆嚢は、なくても生活に大きな影響を与えない臓器である。
肝臓でつくられた胆汁を一時的に溜めておく「ため池」が胆嚢であり、何かを産生するわけではないからだ。
続いて、大腸、膀胱、肝臓、胃、脾臓を取り上げていました。
私は、特に脾臓についての内容を興味深く読みました。
脾臓の重要な役割の一つに、免疫機能がある。脾臓は私たちの免疫を担う、人体では最大のリンパ器官ともいわれる。全身の各所で免疫を担うリンパ節の親玉的な存在だ。
脾臓には、免疫に関わる細胞であるリンパ球やマクロファージが多く存在し、これらは細菌などの病原体が体に侵入した際に戦ってくれる。病原体を直接攻撃する、あるいは「抗体」と呼ばれる武器をつくって攻撃するのだ。
脾臓は「なくても生きられる臓器」の一つだが、前述の理由により、一部の感染症に対して防御力が弱くなる。
代表的なのが、インフルエンザ菌や肺炎球菌、髄膜炎菌などの細菌感染症だ。脾臓を摘出した後に起こる重篤な感染症を、「脾臓摘出後重症感染症(OPSI)」と呼ぶ。
ひとたび発症すると、約半数が死亡するともいわれる恐ろしい病気だ。特に肺炎球菌によるOPSIは頻度が高いため、脾臓を摘出した人に対して、肺炎球菌ワクチンの接種が健康保険で認められている。「なくても生きられる」とはいえ、感染予防が必要になるという点で注意が必要な臓器なのだ。
「やむを得ず臓器の全摘を選択しなければならない状況になったとしても、生きがいを持って充実した日々が送れるように努めたいものだ」と、記事を読みながら思いました。