健診でLDLコレステロール値基準以上を指摘された私には、願ってもないうれしい情報でした。
記事には次が書かれていました。
日本人間ドック学会・予防医療学会が定めたLDLコレステロールの基準範囲は「60~119mg/dL」だが、この基準では「LDLコレステロール値の下げすぎになる」と示す研究結果が出た。
そして、次が続いていました。
デンマーク・コペンハーゲン大学病院の研究チームが20年に英医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』に発表した研究では、総死亡率が最も低くなるLDLコレステロール値は「140mg/dL」程度との結果が示された。
日本の研究でも同様の結果が出ている。東海大学名誉教授(医学統計学)の大櫛陽一氏らが、神奈川県伊勢原市の男女約2万6000人を対象に平均8.1年にわたって行なった追跡調査によると、男性の場合、LDLコレステロール値は「80mg/dL未満」の群が最も死亡率が高く、基準範囲を超えた「140~159mg/dL」の群が最も死亡率が低かった。
上記の研究に携わった大櫛氏が、次のように説明しています。
「LDLコレステロールは『悪玉』と言われますが、実は体内で重要な役割を果たしています。コレステロールは細胞膜や神経細胞、ホルモン、骨を作るビタミンDなどの原料として必須の成分であり、LDLコレステロールはそれらを各細胞に運んでいるのです。そのため、140~159mg/dL程度のほうが身体に良いと考えられます」
「私たちの研究では、遺伝性の高コレステロール血症の人などを除けば、男性ではコレステロール値が180mg/dL程度まで心筋梗塞などによる死亡リスクが上昇しないことがわかりました。また、脳卒中のリスクも、LDLコレステロールまたは総コレステロールが高い人のほうが下がることが明らかになっています」
今までLDLコレステロールは悪者扱いされていましたが、体内で重要な役割を担っていること、140~159mg/dL程度のほうが身体に良いという研究結果に、今までの60~119mg/dLという基準範囲はどのように修正されるかを見守りたいと思います。
記事には小太りの高齢者のほうが痩せ型の高齢者より死亡リスクが低いという情報についても書かれていますので、特にシニアの方々にはご一読をお勧めしたいと思います。