高齢者の食事・塩分制限

次の記事を読み、高齢者施設で亡くなった母のことを思い出しました。

減塩など食事制限が厳しい日本 糖尿病や高血圧の高齢者にも食事制限しないスウェーデン なぜ違う? | ヨミドクター(読売新聞)
塩分が少ない食事はおいしくない  減塩は高血圧の治療や予防に有用で、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では1日当たり6グラム未満の食塩摂取量を推奨しています。そのため、病院や多くの介護施設では、食事中の食塩を減らしています。  しかし...

母は認知症が悪化して自宅介護が無理になり高齢者施設に入ったのですが、最初は自分で食べていた食事も徐々に介護が必要になりました。

晩年には食べる意欲も無くなり、医師からは胃ろうの相談がありましたが、子供である私と妹2人が話し合い、胃ろうは断ったため、最終的には老衰で亡くなりました。

母は高血圧でしたし、咀嚼力も衰えてからは減塩に加えミキサー食になったのですが、そのころから更に食べなくなったように私は記憶しています。

記事に次が書かれていましたが、母の担当医が記事の筆者のように考えていてくれたらと、今更ですが思わざるを得ませんでした。

塩分が少ない食事はおいしくないため、食欲がなくなります。食べなくなった高齢者に、梅干し、のりの 佃煮つくだに などを出すと、再び残さずに食べるようになります。心不全や腎不全などの病気があれば塩分制限は必要ですが、健康に問題のない高齢者は、塩分制限をしないで、おいしく残さず食べてもらうことの方が重要ではないでしょうか。

記事の冒頭に書かれていますが、日本では高血圧になると必ずと言って良いほど塩分を制限するように言われます。そのため、施設に入っている場合は、それに従わざるを得ないのです。

減塩は高血圧の治療や予防に有用で、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では1日当たり6グラム未満の食塩摂取量を推奨しています。そのため、病院や多くの介護施設では、食事中の食塩を減らしています。

記事にはスウェーデンでの対応として、次が書かれていました。

スウェーデンでは糖尿病や高血圧の高齢者に食事制限をしていません。大学病院の老年疾患内科病棟でも、高齢者の入居施設でも、高血圧食や糖尿病食のような食事療法を目的にした食事は用意していません。

それは、スウェーデンでは、高齢者医療は高齢者が穏やかにその人らしく生きるためのものであり、治療よりも生活の質を重視しているからです。事実、「食事を制限されてまで長生きしたくない」という高齢者の声をよく聞きます。

記事に登場する内科医は最後に次のように述べていますが、日本の医療事情は簡単には変わらないと思えるので、施設に入った場合は制限を受け入れるしかないのでしょう

日本とスウェーデンでは、高齢者医療に対する考え方が大きく違います。日本は高齢者であっても病気の予防や改善を重視します。そのため、介護施設や病院では、食事制限が厳しく行われます。高齢者は塩気がない食事で食欲をなくし、糖尿病の人は空腹でおやつも制限され、食事の喜びを奪われています。

一方、スウェーデンの高齢者医療は生活の質を重視します。食事を楽しむことは人生の重要な意義と捉え、食事制限を行いません。また、「食事を制限されてまで長生きしたくない」という高齢者の自己決定を尊重します。

年をとったら体が思うように動かなくなり、食べることが楽しみになります。重病の場合を除き、人生の晩年は食事やおやつを楽しむことが重要ではないでしょうか。

ちなみに私は次の投稿に書きましたように、自己責任で減塩を実行しています。極端な減塩ではないため暑い日にも問題なく過ごせますし、素材本来の味を感じる食事ができるため減塩のストレスは全くないのですが、外食の味付けがすべて濃く感じるようになってしまい、外食好きな家族の誘いを断ってばかりなので、それを申し訳なく思っています

タイトルとURLをコピーしました