がん検診について

次の記事は偶然に目に留まったのですが、タイトルが気になって読み進むうちにモヤモヤとした気分になってしまいました。

がんは「早期発見」すれば治せるんですか? | ヨミドクター(読売新聞)
「早期発見・早期治療」というのは、がん検診を促すキャッチフレーズです。単純でわかりやすい言葉で、日常会話でもよく使われています。 「早期発見・早期治療でがんは治るっていうから、検診受けなきゃね」 がん検診における「早期発見・早期治療」とい

記事の筆者はがん研有明病院院長補佐と書かれていますから医師だと察しますが、次のように述べています。

がんの進行は、ゆっくりなものから急速なものまでいろいろあり、毎年検診を受けていたとしても、見つかった時点で「進行がん」になっていることはよくあります。逆に、何年も前からしこりを自覚しながら放置していた場合でも、「早期がん」の診断となることがあります。時間軸として早かったとしても、病気の進行度として早期とは限りません。「早期発見」は、どちらかというと、病気の進行が早期の段階で見つかることを意味していますので、検診で見つけられたがんがすべて早期発見と言えるわけではありません。

上記に関して、毎年定期的にがん検診を受けている私は少なからず凹みました。

理解はしていましたが、毎年検診を受けていても「見つかった時点で進行がん」ということもありうるわけです。

そして筆者は次のようにも述べています。

がん細胞(遠隔転移の種)が体を巡り始める前の段階で見つけて、しこりを取り除く治療ができれば、あるいは、遠隔転移の種も薬物療法でゼロにできれば、それは、「早期発見・早期治療」で根治できたと言えますが、本当に根治できたかどうかはなかなか確かめようがありません。根治できたと思っていても、あとから遠隔転移が生じることがあり、その場合は、「早期発見・早期治療」にはなっていなかったことになります。

「早期に見つけても治せない場合がある」という言い方もできますし、「振り返ってみたら早期ではなかった」と言う方が正確かもしれません。

上記に関しても、理解はできるのですがモヤモヤとした気分が残りました。

筆者はがん検診の利益と不利益を理解することが重要という見解で、次のように述べています。

市民に検診受診を呼びかけるとき、「早期発見・早期治療」というキャッチフレーズだけが強調されがちですが、検診を受けることで得られる利益と、それに伴う不利益をきちんと説明し、市民一人ひとりに、自分の問題として考えてもらうことの方が重要だと思っています。

日本では検診受診率が低いことが問題視されていますが、受診率が低いことよりも、がん検診に関する議論が少ないことの方が問題です。利益と不利益のバランスを理解して、納得してがん検診を受けることが重要で、もし、十分理解した上で、がん検診を受けないという選択をするのであれば、それも間違いではありません。

記事を読み、モヤモヤ感が残りつつも来年も検診を受けることを決めました。

皆さまはどのようにお考えになるでしょうか。

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