統合失調症の薬物治療指針

10日ほど前、「統合失調症で薬を処方されて飲んでいるが、幻覚は消えないし体重が増えて体がふらふらするので薬が合わないのではないか」という方が来店されました。

私は体重が増えたり体がふらふらするのは抗精神病薬の副作用ではないかと察したため、その方には「担当の医師に様子を伝えて、適切な対応をしていただいたほうが良いと思いますよ」と返答したのですが、今朝、次の記事のタイトルに目が留まり、統合失調症の薬物治療指針の存在を知りました。

統合失調症 「抗精神病薬の副作用が心配」 患者の声を反映させた薬物治療指針とは、どのようなもの? | ヨミドクター(読売新聞)
幻覚や妄想、注意力の低下などの症状が表れる統合失調症。薬や、社会生活に必要な技能を身につける訓練などで回復を目指しますが、再発しやすく、粘り強く治療を続けることが必要です。薬物治療の指針が近年改訂され、副作用を懸念する患者側の声を受けて詳し...

記事には治療について、次が書かれていました。

治療は、抗精神病薬でドーパミンの量を調節する「薬物治療」に、社会復帰に必要な対人スキルを身につける訓練などを行う「心理社会的治療」や、睡眠のリズムを整える「環境調整」を組み合わせます。

そして、抗精神病薬について、次が書かれていました。

抗精神病薬は症状を抑える反面、手の震えや体重の増加、便秘などの副作用があります。適切な使用が重要ですが、医師によりばらつきがあり、国内では科学的根拠が乏しいまま海外に比べて複数の種類の抗精神病薬を併用する多剤治療の問題が指摘されてきました。2015年に日本神経精神薬理学会が指針を作り、抗精神病薬1種類による単剤治療が原則だと示しました。しかし、指針の効果を研究する「EGUIDEプロジェクト」の16年度の調査で全国44病院の1164例で単剤治療率は平均57・1%にとどまっています。

上記を踏まえ、副作用の対処法を重視して2022年には治療指針が改訂され、2023年には患者さんたちのために指針を分かりやすく解説したガイドが公表されたことが記事にありました。

統合失調症は薬を中断すると再発しやすい疾患のため、薬と上手に付き合うことが大切です。

10日ほど前に来店された方にも、医師による適切な対応がされることを願うばかりです。

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