お酒を飲まない人の「脂肪肝」

近年脂肪肝の患者さんが増えているそうです。

お酒を飲まない人や肥満ではない人でも脂肪肝になる可能性があるという内容に、他人事とは思えず関心を持って読みました。

恐ろしい…近年増えている「お酒を飲まない人」の「脂肪肝」【医師が解説】 | ゴールドオンライン
「脂肪肝」というと、少し前まではお酒が好きな人の病気と思われていました。しかし、お酒を飲まないからといって油断してはいけません。脂肪肝は酒飲みでなくとも発症リスクがあり、長年放置すれば深刻な肝臓病にまで進行することがわかってきたのです。知ら...

記事に登場するみなと芝クリニック院長・川本徹医師は、脂肪肝について次のように解説しています。

体脂肪は脂肪が付く場所により皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。体脂肪は、食事の脂肪や糖から作られます。その中でエネルギーとして消費されずに体内で蓄積されたものが体脂肪となります。体脂肪が皮膚のすぐ下の皮下組織に付くと皮下脂肪となります。内臓の周りに溜まると内臓脂肪となります。そして皮下脂肪、内臓脂肪という脂肪組織に入りきらなかった場合に異所性脂肪となるのです。異所性脂肪というのは、文字どおり本来溜まるはずのない場所(肝臓や心臓といった臓器や筋肉など)に蓄積される脂肪のことです。異所性脂肪が肝臓で増えていくと脂肪肝になります。

また、記事では無理なダイエットや極端な食事制限によっても発症の可能性が述べられています。

そのことについて、次の説明がありました。

肝臓は血糖を一定に保つ機能があります。極端な食事制限をした場合、体内では血糖値が低下してインスリン分泌の低下が起こります。体はエネルギー不足となっているので、皮下脂肪などから脂肪を分解し遊離脂肪酸を血中に分泌します。そのうち使われなかった遊離脂肪酸は肝臓に集まり、肝臓はそれを中性脂肪に変えようとします。

このとき肝臓に集まった中性脂肪を血液中に流すには、たんぱく質の助けが必要です。ところが極端な食事制限やある特定の食材しか食べないダイエットをしていると、たんぱく質が不足しているので、血液中に脂肪を流すことができません。その結果、肝臓に中性脂肪が溜まり続けてしまい脂肪肝になりやすいというわけです。

川本医師は次のようにアドバイスしています。

脂肪肝になりたくなければ、必ず肉や魚類の動物性たんぱく質と大豆食品などの植物性たんぱく質の両方を組み合わせて摂るようにし、栄養バランスを崩さない食生活をすることが重要となります。また食べた分だけきちんと消費できるように、日常生活での活動量を増やす意識も必要です。

皆様には、お酒を飲まなくても太っていなくても脂肪肝のリスクはあるということをご理解いただければと思います。

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