大腸がん検査の新常識

次の記事を読み、今までの認識が覆された思いがしています。

実は、便潜血検査で大腸がんの早期発見はできません…多くの人が知らない、大腸がん検診の「新常識」(木原 洋美,週刊現代) @gendai_biz
大腸がん検診の定番と言えば、便を検査する便潜血検査である。だが、近年の研究では、この検診のみでは大腸がんの早期発見は難しいことが判明している。大腸がん検診の新常識について、昭和大学横浜市北部病院消化器センター長の工藤進英医師が語る。

記事の始めに次の文面がありました。

多くの日本人は未だに大腸がん検査には便潜血検査が有効だと信じて、「自分は毎年受けているし、陰性だったから安心」と喜んでいたりする。

記事に登場する大腸内視鏡検査の世界的権威である昭和大学横浜市北部病院消化器センター長の工藤進英医師は、次の様に述べています。

大腸がんのほとんどは陥凹型。ポリープ型や平胆型は基本的には腺腫(良性腫瘍)であって、がんではありません。

そして、記事の始めに書かれていた便鮮血検査について、次が書かれていました。

便潜血検査では早期がんは見つけられない。繰り返しになるがポリープ型や平坦型は基本的に腺腫であり、がんではない。便に潜血があるのは、大腸にできたポリープが排便時にこすれて出血するからだが、凹んでいる場合には、便が素通りするため出血せず、陰性判定となる。便潜血検査で陥凹型の大腸がんが見つかるのは、すでに進行がんとなり、盛り上がってきて出血するようになってからだ。

そして、次が続いていました。

残念ながら便潜血検査では、大腸がんの早期発見は難しく、見つかるのはポリープ型、しかもその多くは良性の腫瘍の可能性が高い。そのため、偽陽性の多さも問題となっているが、国立がん研究センターは「(大腸内視鏡は)がんやポリープに対する診断精度が非常に高いですが、まれに出血や腸に穴が開く(穿孔せんこう)などの偶発症があります。また比較的高度な技術を必要とする検査のため、多くの受診者に行うことはできません」との理由から、精密検査以外には推奨していない。

私は大腸内視鏡検査によって穿孔を生じ、入院する羽目になってしまいました。

不幸中の幸いで手術(手術した場合はしばらく人工肛門になると説明されました)は免れましたが、それまでの大腸内視鏡検査に対しての認識とは違い、検査に恐怖さえ抱くようになってしまいました。

記事には次が書かれていますが、まだしばらくは大腸がん検診として便鮮血反応が利用されると思いますから、便鮮血反応が陰性であっても安心という認識を持たないようにしなければならないですね。

早期発見の重要性を訴えながら、早期発見できないと分かっている便潜血検査を、「大腸がんの約10%しか早期発見できません」等の説明もなく、推奨し続けることは正しいのだろうか。

記事には、大腸内視鏡検査の精度の高い機器の開発も進んでいることが書かれていました。

現在より精度の高い機器によって、現状では発見が難しい陥凹型である早期大腸がんを確実に見つけられるようになる時期が早く来ることを願いたいです。

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