多くのメディアで報じられましたから、小池百合子都知事がヤクルト―阪神戦の始球式に参加した際に膝を傷め、剥離骨折と診断されたことをご存じの方もいらっしゃると思います。
私は始球式の動画も見たのですが、ボールを投げた際に少しよろけたように見え、それだけで剥離骨折に至るのかと驚きました。
私は小池都知事と同年齢のため注意しなければと思い、剥離骨折について調べようと思いつつ数日が過ぎてしまったのですが、今朝、わかりやすく説明されている記事が目に留まりました。
記事に登場する伊奈病院(埼玉県)副院長で整形外科科長の石橋英明さんは、剥離骨折を次のように説明しています。
関節周囲の骨には、骨と骨をつなぐ 靱帯 が付着しています。スポーツなどで関節を強くひねるなどした際に、靱帯が強く引っ張られると、付着部分の骨がはがれたり、靱帯が伸びたり切れたりします。骨がはがれた場合が剥離骨折です。靭帯の付着部だけでなく、腱 という筋肉の両端の組織の付着部でも、剥離骨折を起こすことがあります。
エックス線検査をして、靭帯の付着部に骨片が見つかると剥離骨折と診断します。膝のほか、肩や肘、指の関節、足関節でも起こります。
膝の靭帯は、内側側副靱帯、外側側副靱帯、前十字靱帯、後十字靱帯の4本の靱帯で太ももの 大腿だいたい 骨と、すねの 脛けい 骨をつないでいますが、これらの靭帯に強い力がかかった際に、靭帯損傷や靭帯付着部の剥離骨折が生じます。たとえば、膝を外反(X脚)の方向に強くひねると、関節の内側にある内側側副靭帯の断裂や靭帯付着部の剥離骨折を起こします。
剥離骨折を起こすと強い痛みが出るそうで、通常はスポーツ外傷のため若い人が多いとのことです。
高齢者については次が書かれていました。
高齢者でも、日常生活でちょっとした運動をした際に、関節をひねるなどすると靭帯をいためることがあります。骨が弱くなっていると、靭帯損傷よりも剥離骨折を起こしやすくなります。
治療について、前記の石橋さんは次のように述べていました。
エックス線画像で、剥離した骨片が本来の位置と大きくずれている場合は、手術で位置を元に戻して専用の器具で固定します。骨片が本来の位置にとどまっていれば、手術はせずにギプスや装具をつけて3~6週間程度、固定します。骨折した部分がくっつき、軟部組織が回復するのを待ちます。その後は、曲げ伸ばしの可動域や筋力の回復を目的としたリハビリテーションを実施します。
3~6週間の固定期間中は体重をかけないようにする必要があり、松葉づえや車椅子を使うことが多いです。ギプスを外した後も、2~3週間程度は荷重制限が必要な場合が多いです。
高齢者の場合は骨が弱いと剥離骨折を起こしやすいとのことなので、私も気を付けたいと思います