免疫力を高めることに関心がある方は多いのではないでしょうか。
私もその一人なので、次の記事は興味深く読みました。


記事にも書かれていますが、皆様も免疫力を高めると宣伝された健康食品やサプリメントなどをご存じではないでしょうか。
腫瘍内科医である記事の筆者は、健康食品など有効性の確立していないものは勧めないと述べ、次のように書いています。
血液中の白血球数、白血球の成分である好中球やリンパ球の数、免疫細胞の種類やその存在割合など、いろいろな指標がありますが、どれ一つとっても、スーパーシステムのごく一部分を見ているにすぎず、この数値が高ければ、免疫が高いと言えるような、単純な指標はありません。
また、仮に「免疫力」が正確に評価できたとして、それを高めることが究極の目標なのか、というのも、考えていただきたいポイントです。「免疫力」が高いかどうかよりも、「感染症にかからないこと」「がんを抑えられること」「副作用が軽く済むこと」の方が、より重要な指標ですし、目指すべき目標は、「いい状態で長生きできること」です。
そして、「免疫力を高めるには」という問いに対しての回答として、次を述べていました。
〈1〉そもそも、免疫力なんて測れない
〈2〉「免疫力を高める」よりも「いい状態で長生きする」を目指して治療選択を
〈3〉毎日、無理なく、楽しく過ごしましょう
上記には納得できない方もいらっしゃると思いますが、私は「やはり」と思いました。
そう思った理由は、叔母の死です。
叔母は自身の母と兄ががんで亡くなっていることから、がんに良いか悪いかという情報に過敏になり、がんに良いと言われればそれを取り入れたり食べたり、悪いと言われるものは徹底して避けるなどの生活を続けていました。
日常生活も規則的に過ごし、運動も取り入れたり、免疫力を高めるための方法はすべて実行するような日々を過ごしていました。
その叔母が血液のがんを発症し、あっという間に亡くなってしまったのです。
10年以上前の出来事でしたが、私は叔母の徹底した生活は何だったのだろうと思ったことを記憶しています。
記事の筆者は次のようにも述べています。
そもそも、「免疫力」を持ち出す必要はなく、日々の生活、仕事、学業、食事、運動、睡眠、趣味、家族や友人との語らいなど、今まで通り楽しむだけで十分です。
おいしいものを食べる、お酒を楽しむ、友達と出かける、体を温める、お風呂にゆっくりつかる、ぐっすり眠る。どんなことでも、気持ちよければそれでよいですし、普段通りに楽しむのを妨げるような症状があったときは、担当医に相談しましょう。
皆様にも参考になさっていただければと思います。