救助後にクラッシュ症候群

能登半島地震で倒壊した住宅から72時間を過ぎて救助された89歳の女性の報道は多くのメディアに取り上げられましたので、記憶にある方もいらっしゃると思います。

私もTVで知ったのですが、その女性の次男が女性をかばうようにして亡くなったことも報じられていましたので、「息子がお母さんを守ったんだ」と女性が助けられたことを吉報に思いました。

ところが、昨日、次の記事を目にしたのです。

72時間生き延びた母は2日後に 傍らで先に逝った弟も送った兄 | 毎日新聞
能登半島地震で倒壊した石川県輪島市の住宅の居間から、生存率が急激に下がるとされる「発生後72時間」を過ぎて助け出された女性がいる。外(そと)節子さん(89)だ。救助した大阪市消防局の担当者が「奇跡的」と振り返ったケースだが、節子さんはその2...

女性の死因は、クラッシュ症候群でした。

クラッシュ症候群のことは、次のページにわかりやすい説明があります。

| EPARKくすりの窓口コラム|ヘルスケア情報
2018年の夏は日本全国を、豪雨や台風、地震が襲いました。犠牲になった方々のご冥福をお祈り申し上げます。災害の発生は人間の力で抑えることが出来ず、自然の力の脅威を感じさせられてしまいます。災害で発生する事柄を私たち一人一人が知り、未来に起....

①倒壊などにより重量物が、足や腕、腰などの筋肉を圧迫し、動脈や静脈の流れが遮断される。
②遮断状態が続くと、圧迫部位の筋肉の細胞膜が破壊され、筋肉細胞の内容物が流出する(横紋筋融解)。
③筋肉に含まれる、カリウム、タンパク質(ミオグロビン)など内容物が流出するものの、圧迫のため血液が流れず局所に停滞したままとなる。
④救助により、重量物の圧迫が解除されると、停滞していた内容物が一気に全身を巡る。
⑤結果的に心室細動(心停止)などの致死性不整脈、急性腎不全などが起こり、死に至る。

次が書かれていました。

「クラッシュ症候群」は重量物に挟まれている時からの対応が必要ですが、余震やさらなる倒壊など、2次災害が発生する恐れがあり、救助自体が難しいことに加え、救助部門(消防、警察、自衛隊、海上保安庁など)と救命医療部門(医師、看護師など)が綿密に連携した「がれきの下の医療」を行わなければなりません。

「がれきの下の医療」である救助部門と救命医療部門との連携は、状況によって不可能な場合のほうが多いかもしれません。

亡くなった89歳の女性の場合も、それに当たるように思いました。

記事には「もしクラッシュ症候群に直面したら」として、次が書かれていました。

「クラッシュ症候群」に対して、現場で一般の方が出来ることは極めて限定されています。体温が低下する「低体温症」を少しでも防ぐために、毛布やタオル、レスキューシートなどを要救助者にかけてあげると良いでしょう。
(中略)
「クラッシュ症候群」は、災害や事故など誰もが直面し得る問題です。現場に直面した人が行える重要なことは、消防や警察、自衛隊、海上保安庁などが救助に来た際に、「重量物に挟まれていたこと(可能であれば、挟まれていた時間など)」を出来るだけ正確な情報として伝えることでしょう

いざ直面したら、冷静さを失って早く助け出すことしか考えられなくなりそうですが、上記は肝に銘じておこうと思いました。

亡くなられた女性のご冥福をお祈りしたいと思います。

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