食事として、パウダー状の完全食と言われる物を溶かした液体(200~300ml)を1日に2回摂るのみの生活を6年続けている男性を取材した記事を読みました。
記事は次の文面から始まっていました。
「食」への楽しみを捨てて生きる男性がいる。都内のIT企業で働く笠原元輝さん(35)。「準備、食べる、食べた後は集中できなくて眠くなる。それを3回も繰り返さなきゃいけないのが非常に効率悪いなと」。
完全食を1日に2回摂る事を食事として6年続けている男性は、健康診断でも中性脂肪値が低いこと以外は異常がなく、体調も良いそうです。
その食生活について、 管理栄養士の篠原絵里佳氏は次のように述べていました。
「完全食の否定派ではない。働き方やライフスタイルが多様化しており、今の時代に必要なものだとは思うが、デメリットもあるので上手に取り入れてほしい」
「笠原さんを見ると、どれもあまり咀嚼をしていない。その健康効果はさまざまあり、唾液を出して咀嚼することで、胃腸が刺激されて消化吸収が進む。例えばタンパク質はアミノ酸に、炭水化物は糖質まで分解されないと吸収できないように、目で見えないレベルの消化が必要。食べても吸収されなかったら意味がない」
そして、篠原氏は完全食にプラスすると良いものとして次を勧めていました。
「完全食は加工品で菌が入りにくい。善玉菌を摂らないと腸内環境が悪くなるので、発酵食品などを取り入れていただくのがまず大切。もう1つが、食物繊維。すでに入っているとは思うが、腸内細菌にはいろいろ種類があって、それぞれ好む食物繊維が違う。また、食品は相乗効果があるので、今日はキムチ、明日は納豆、その次の日はヨーグルトなどとするのも良い」
私も咀嚼の重要性を理解しているため、完全食は忙しい時等は便利ですから否定はしませんが、取り入れるとしても1日に1食程度で、他は通常の食事が望ましいのではないかと思いました。
管理栄養士の篠原さんも食事の影響が出るのはまだ年数がかかることを述べていましたが、私も、完全食のみの生活を10年以上続けた人が50代以上になった際の健康状態や老化度等に懸念を感じます。
それよりも何よりも記事を読んで思ったのは、食べる楽しみの無い生活は私にはできないということでした